9月・10月から受験勉強を始めても間に合う?
9月、10月になると、こんな不安を感じる中3生が増えてきます。
学校では2学期の授業が進み、定期テストもあります。周りの友達が受験の話をすることも増えてきます。
中1、中2の復習も終わっていないと、
今から始めて、本当に間に合うのかな
と焦るかもしれません。
私はこれまで中学生を指導してきましたが、9月だから間に合う、10月だからもう遅い、と時期だけで判断することはありません。
まず今の学力や志望校、テスト結果などを確認させてもらいます。
そこから、今の時点で何を優先すれば志望校合格に近づけるのかを考え、私が計画とカリキュラムを作成します。
最初から無理な予定を組むこともしません。
まずは、現在の実力で実行できるくらいの締め切りを決めます。それができるようになってきたら、少しずつペースを上げていきます。
今の成績と志望校を確認して、その時点から合格に向けて間に合わせるための計画を立てます。
この記事では、9月・10月から受験勉強を始める場合に、何を確認し、何を優先し、毎週の勉強へどう入れていけばよいのかをお話しします。
9月・10月からでも間に合う?
私が「今からでも間に合いますか?」と相談されたとき、最初に確認したいものがあります。
実力テストや模試、習熟度テストなどの結果、定期テスト、通知表、そして志望校です。
さらに、本人が今どんなことで困っているのかも聞きます。
最初に確認するもの
- 実力テスト・模試・習熟度テストなどの結果
- 定期テスト
- 通知表
- 志望校
- 本人が今困っていること
同じ300点でも、志望校によって状況は変わります。
また、定期テストでは点数以外にも分かることがあります。
どの科目が得意で、どこが苦手か。普段の勉強方法が合っているか。学校で習った内容をどこまで理解できているか。
通知表を確認するのは、高校入試で評定が関係する場合に、現在どのくらいの位置にいるのかを知るためです。
こうした情報がそろって、初めて今後の計画を考えられます。
私は生徒や保護者に、状況に応じて「十分間に合うと思います」「今のままだと厳しいです」とちゃんと伝えます。
その上で、合格に向けてのカリキュラムを提示して、いつまでにどの程度の勉強をすれば合格するかを伝えます。
これまでの指導経験では、秋から相談を受けても、間に合う形へ持っていけたケースの方が多くありました。
ただ、同じ9月でも状況は一人ずつ違います。
夏休みにほとんど勉強できなかった場合や、中1・中2のどこまで戻ればよいか迷っている場合は、別の記事で詳しく説明しています。
評定や内申点そのものが分からない場合はこちらです。
9月は、秋に優先する勉強を決める
どこで点を落としている?
実力テストや模試が返ってきたら、合計点と一緒に問題ごとの結果も確認します。
たとえば数学が40点だったとします。
これだけでは、「数学をもっと勉強しよう」くらいしか分かりません。
実際には、
数学なら
- 計算で間違えている
- 関数が分からない
- 図形の基本知識が抜けている
- 問題文は読めるけれど、式を作れない
英語なら
- 単語を知らない
- 熟語が分からない
- 文法でつまずいている
- 英文の意味を取るところで困っている
ここまで分けて考えます。
英語でも同じです。
私は「数学が苦手」「英語が苦手」というところで終わらせず、どこで点を落としているのかを探します。
模試などに科目別・分野別の平均点が載っていれば、それも参考になります。
平均に届いていない科目では、私はまず基礎問題と、その少し上のレベルで取れる問題を増やせないか考えます。
難しい問題ばかりに時間を使うより、先に点数につながる部分が残っていることがあるからです。
5教科に優先順位をつける
秋からの受験勉強で、全員に同じ勉強をさせることはありません。
得意不得意も違えば、志望校も違います。
苦手科目が平均点に届いていないなら、その科目の基礎から得点できる部分を探します。
一方、苦手科目でもすでに平均点を超えているなら、別の科目を上げた方が5教科全体の点数が伸びる場合もあります。
今の点数をもとに、どの科目のどの分野を上げれば合計点につながるのかを考えます。
中間テスト対策も計画に入れる
9月から始める利点の一つが、学校の日程によっては2学期中間テストの前から準備できることです。
高校入試で2学期の評定が関係する場合は、中間テストや期末テストも大事になります。
定期テストの点数だけで評定が決まるわけではありませんが、学校での学習を立て直せる機会になります。
中間テストの時期や有無、入試で使われる評定は地域や学校、入試制度によって違います。
自分の学校・地域ではどうなっているのかを確認したうえで計画へ入れます。
10月からの受験勉強
10月から始める場合も、最初に確認することは9月と同じです。
変わるのは、受験までに使える時間です。
私は10月から相談を受けたからといって、そこで「もう遅い」と考えることはありません。
今の学力から志望校合格に近づくには、何をどの順番で進めればよいのか。
その時点から計画を組みます。
この先に残っているテスト・提出物
10月中旬になると、学校によっては中間テストが終わっていることがあります。
または、中間テスト直前で十分な準備期間が取れない場合もあります。
高校入試で評定が関係するなら、そのあとにどんな評価の機会が残されているか確認します。
- 期末テスト
- 小テスト
- 提出物
この部分も地域や学校によって違います。
まず、自分の学校でこれから何があるのかを確認しましょう。
優先順位とペースを決める
10月から始める場合も、「中1の最初から全部やり直そう」と機械的には考えません。
現在の学力を確認して、
を決めます。
時間が少なくなっている分、優先順位はさらに重要になります。
受験までに必要なことを並べ、その中で先に取り組む内容を決めていきます。
中1・中2の詳しい戻り方については、夏休みの記事で説明しています。
普段の週の勉強
秋になると、学校も普通に進んでいます。
受験勉強だけを考えて予定を作ると、学校で今習っている内容への対応が難しくなることがあります。
私は、中3の現在の授業を進めながら、必要な受験勉強を組み合わせて考えます。
学校と受験勉強を並行する
中1・中2の内容に不安があったとしても、過去の復習だけを何週間も続ける形にはしません。
学校では中3の内容が進んでいるからです。
今学校で習っている内容を学びながら、受験に必要な復習も入れていきます。
受験勉強で何を優先するかは、ここまでに確認したテスト結果や志望校によって変わります。
毎日続けたい基礎
科目ごとに優先順位はつけますが、受験まで積み重ねておきたい基礎もあります。
英語・数学
- 英単語
- 英熟語
- 文法
- 計算
- 関数の基礎
- 図形の基本知識や基礎問題
理科・社会・国語
- 理科・社会の基本用語
- 必要な計算
- 文章の種類に応じた読み方の知識
これらを5教科すべて同じ時間ずつ勉強する、という意味ではありません。
今優先する科目を決めながら、毎日コツコツと続けることが大事です。
受験問題は、こうした基礎知識がない状態では取り組みにくくなります。
最初は余裕のある締め切りから
学習塾アイリスでは、
という言い方だけで終わらせないようにしています。
たとえば、
「○月○日にテストをするので、それまでにここまで覚えよう」
と期限を決めます。
これは中1の頃から行っています。
受験生になったからといって、最初からかなり厳しい締め切りを設定するわけではありません。
まずは「これくらいならできそう」という締め切りから始めます。
予定どおり進められるようになってきたら、少しずつ期間を短くしたり、取り組む量を増やしたりします。
その繰り返しで、受験に必要なペースへ近づけていきます。
勉強の予定を具体的にする
「数学を復習する」
「英語を頑張る」
これだけだと、今日何をすればよいのかが曖昧です。
アイリスでは、何を、いつまでに、どこまで進めるのかを決めます。
そして決めた範囲のテストをします。
合格したらスタンプを押します。
小さなことですが、「ここまで終わった」という達成感を持ってもらうために続けている方法です。
塾へ通っていない場合でも、模試の結果と今持っている教材を照らし合わせ、
とカレンダーへ書いておく方法があります。書いたことが達成できたら、そこにスタンプを押したり、シールを貼ったりするのもいいと思います。
何をするのかが決まっているだけでも、勉強を始めるきっかけになります。
学校ワークそのものの進め方はこちらで詳しく説明しています。
平日や休日の時間割を考えたい場合はこちらです。
定期テスト前の勉強
受験生になったからといって、定期テストを全員同じように扱うわけではありません。
高校入試で評定がどの程度関係するのかによって、勉強時間の配分も変わります。
定期テスト対策を増やす
アイリスでは、定期テストの3週間ほど前からテストを意識し、2週間前から本格的な定期テスト対策に入ります。
高校入試で評定が必要な場合は、定期テストだけでなく、小テストや提出物、学校の課題なども重要になります。
そのため、この時期は普段より学校の勉強に使う時間を増やします。
定期テストをいつから始めればよいのかについては、こちらで詳しく説明しています。
具体的な定期テストの勉強方法はこちらです。
受験勉強との配分を決める
定期テスト前に受験勉強を休むかどうかも、生徒によって変わります。
評定を上げる必要がある場合
定期テスト対策へかなり力を入れることがあります。
評定の影響が小さい場合
受験勉強も続けながらバランスを取ることがあります。
どちらが正しいと一律には決められません。
自分が受ける高校の入試制度を確認し、判断に迷う場合は学校や塾の先生へ相談してみてもよいと思います。
テスト結果を受験勉強に使う
定期テストが返ってきたら、合計点だけで終わらせません。
- 基礎問題で点を落としていないか。
- 新しく苦手な分野が見つからなかったか。
- 勉強方法に変えた方がよい部分はなかったか。
こうしたことを確認します。
そこで見つかった課題は、次の受験勉強へ入れます。
計画どおり進まないとき
計画を作れば、全員がそのとおり勉強できるわけではありません。
むしろ計画を立てたあと、思ったほど進まないことはよくあります。
そのときに必要なのは、さらに厳しい予定を作ることより、「なぜ進まなかったのか」を考えることです。
「まだ大丈夫」のうちに始める
中3の秋に気をつけてほしいことの一つが、
と思って、始める時期を先へ延ばしてしまうことです。
時間は増えません。
9月から10月、10月から11月と進めば、受験までに使える時間は減っていきます。
一方で、
と考えすぎて、勉強する量そのものが減ってしまうこともあります。
受験勉強では、その日に決めたことを一つずつ進めるしかありません。
ただ、不安の感じ方は一人ひとり違います。
私は、落ち込んでいる生徒に対して「受験生はみんな同じだから」と一言で片づけるのは違うと思っています。
勉強できないほど不安になっているなら、その原因から考える必要があります。
進められない理由を探す
計画を立てても続かない場合、
本当に本人の「やる気」だけが原因でしょうか。
- 予定そのものが厳しすぎる場合があります。
- 何をすればよいのか本人が分かっていないこともあります。
- 勉強方法が合っていない場合があります。
- 期限が曖昧な場合があります。
- 本人がその計画に納得していない場合もあります。
私は、うまく進まないときほど原因を探します。
最初に設定した締め切りが厳しかったなら、調整すればいい。
できるようになれば、また少しずつペースを上げられます。
家では声かけで支える
アイリスでは、基本的に学習計画は塾で立てています。
計画がうまく進まないときに、保護者へ「この日時になったら声をかけてもらえますか」とお願いすることはあります。
ただ、家庭ですべての学習を管理してもらう形にはしていません。
家では勉強のことで怒らないであげてほしい
と伝えることもあります。
塾でも十分に生徒の背中を押しています。
それでも勉強が進まないなら、何か理由があるかもしれません。
本人と先生、必要であれば保護者も一緒に話し、納得して勉強へ向かえる方法を探します。
問題集は目的を決めて選ぶ
秋になると、
新しい受験問題集を買った方がいいですか?
と考えることもあると思います。
私は、必要なら買えばよいと思っています。
ただ、先に考えたいのは「何のために必要なのか」です。
- 演習問題の量を増やしたい。
- もっと詳しい説明が必要。
- 学校ワークより難しい問題へ進みたい。
- 受験レベルの問題を増やしたい。
今持っている教材に足りない部分が分かれば、それを補う教材を選べます。
反対に、何が足りないのか分からない状態で新しい問題集を増やしても、目的がないので途中で使わなくなることがあります。
教材を増やすこと自体を受験勉強にしないことが大事です。
家庭だけで難しいとき
塾へ通っていない場合でも、計画を立てたのに続かないなら、まず理由を考えてみてください。
家庭で変えられることがあれば、そこから直せる場合もあります。
それでも、
という状態が続くなら、学校の先生や塾、家庭教師などに相談する方法もあります。
誰かに教えてもらうことより、今の状態を分析して、次に何をすればよいのかを一緒に考えてもらうことが必要な場合もあります。
家庭学習の教材を比較したい場合はこちらです。
塾と家庭教師の違いを確認したい場合はこちらです。
オンライン指導について確認したい場合はこちらです。
まとめ|9月・10月からでも、今からできることがあります
私は、受験は分析と勉強法と行動力で解決できると考えています。
今、自分が優先している勉強は、本当に今の自分に必要なものなのか。
今やっている勉強方法に、変えた方がよいところはないか。
今日の勉強が終わったあと、次に何をするのか決まっているか。
この3つを一度考えてみてください。
分からなければ、一人で考え続ける必要もありません。
自分の現在の状態を確認して、次にすることを一緒に考えてくれる人へ相談する方法もあります。
9月でも10月でも、「もうこの時期だから」という理由だけで諦める必要はありません。
夏休みにできなかったことを後悔する時間より、これから使える時間をどう使うかを考えてほしいと思います。
