中学生のテスト勉強は、3週間前から徐々に始め、2週間前から本格化するのが理想です。
「うちの子、いつからテスト勉強を始めればいいの?」
「2週間前で間に合うの?それとも3週間前から?」
「テスト前になっても学校ワークが終わっていなくて心配です」
定期テストが近づくたびに、保護者の方からこうした相談をいただきます。
結論からお伝えすると、中学生の定期テスト勉強は「3週間前から徐々に着手し、2週間前から本格化する」のが理想です。
岩澤コーチ
テスト勉強は、テスト前だけで決まるものではありません。普段の授業の聞き方や、学校ワークへの取り組み方が、テスト前の伸び方を大きく左右します。
私は和歌山県新宮市で学習塾アイリスを20年以上運営し、これまで多くの中学生と保護者の学習相談に向き合ってきました。
その経験から言えるのは、テスト勉強はテスト前だけで決まるものではないということです。
- 普段の授業をどう聞いているか
- 学校ワークをどのように進めているか
- 塾や家庭学習で、どれだけアウトプットを意識しているか
そこに、テスト前の伸び方の差が出ます。
この記事でわかること
- 2週間前と3週間前、どちらから始めるべきかの判断基準
- 3週間前・2週間前それぞれの具体的なスケジュール
- 計画倒れになる生徒の典型パターン
- テスト後の振り返りを次回につなげる方法
- 保護者が家庭でできるサポート
結論:中学生のテスト勉強は3週間前から徐々に・2週間前から本格的に始めるのが理想
中学生のテスト勉強をいつから始めるかと聞かれたら、私は迷わず「3週間前から徐々に、2週間前から本格的に」と答えます。
まず、全体像を図で確認しておきましょう。
やっぱり、テスト範囲が出てから始めるのでは遅いことがあるんですね。
岩澤コーチ
はい。2週間前から本格的に始めるとしても、その前に少しずつ準備しているかどうかで、テスト前の余裕が大きく変わります。
Z会が「Z会の通信教育」中学生向けコースの受講者515人を対象に行った定期テストに関するアンケートでは、定期テスト対策の着手時期は「2週間程度前」が最多でした。一方で、90点以上の高得点を取る生徒に限ると、約3割が「3週間程度前」から勉強を始めていたとされています。
「2週間前スタート」が多数派ではあるものの、高得点を取る生徒ほど早めに動き始めているということです。
理想的な流れ
学習塾アイリスでの基本方針
私の塾でも、生徒には3週間前から徐々にテスト勉強をスタートさせ、2週間前から本格化させることを基本にしています。
3週間前にやることは、いきなり長時間勉強することではありません。
- 塾では単元テストを少しずつ仕上げていく
- 家では教科書を読み直す
- 学校で習ったところまでのワークを進める
まずは、このあたりから始めます。
たったこれだけのことでも、2週間前にまとめてやるのと、3週間前から少しずつやるのとでは、テスト本番までに見える景色がまったく違ってきます。
なぜ「3週間前スタート」が点数につながるのか
理由はシンプルです。
人は、習った直後よりも、時間がたつほど忘れるからです。
2週間前から始めると、その時点ですでに「忘れている内容を思い出す作業」から入らなければなりません。これが想像以上に時間を奪います。
3週間前から少しずつ復習しておけば、2週間前にはすでに「思い出し」はある程度終わっています。すると、本格的なテスト勉強の期間を次のことに使えます。
- 演習
- 弱点補強
- 間違い直し
- 暗記の反復
これが点数の差につながります。
2週間前にいきなりゼロから始めない
大切なのは、2週間前にいきなりゼロから始めないことです。
テスト勉強でよくある失敗は、テスト範囲が出てから慌ててワークを始めることです。この場合、学校ワークを終わらせるだけで精一杯になり、点数を上げるための「間違い直し」「覚え直し」「解き直し」に時間を使えません。
テスト勉強は、学校ワークを終わらせることがゴールではありません。
テスト本番で解ける状態にすることがゴールです。
2週間前からでも間に合う子・間に合わない子の違い
同じように2週間前から始めても、点数が上がる子と、思うように上がらない子がいます。
この差は、単純に「頭がいい」「頭が悪い」という話ではありません。
まずは、2つのタイプの違いを図で見てください。
一番大きいのは、普段の授業や学習を、どれだけテストにつながる意識で受けているかです。
2週間前でも伸ばしやすい子
普段から授業をよく聞き、復習時に思い出せる量が多い子です。
3週間前から必要な子
テスト前にワークを開いても、ほぼ初見になってしまう子です。
2週間前からでも点数を伸ばしやすい子
2週間前からでも点数を伸ばしやすい子は、普段の授業をよく聞いています。
ただ聞いているだけではありません。
「あとで自分で説明できるように聞く」
「テストで使えるように覚える」
「人に教えられるくらい理解する」
という意識があります。
岩澤コーチ
勉強が好きだから点数が高い、というわけではありません。人の話をよく聞き、自分の言葉として理解し、アウトプットできることが大切です。
このような子は、復習をしたときに記憶に残っている量が多いです。
そのため、学校ワークや参考書を進めるときも、
「これは授業でやった」
「先生がここを大事だと言っていた」
「この問題は前にも似たものを解いた」
と思い出しながら進めることができます。
2週間前からでも伸ばしやすい子には、次のような特徴があります。
- 普段の授業を集中して聞いている
- 学校ワークをため込んでいない
- 単元テストや小テストである程度点が取れている
- 習ったことを自分の言葉で説明できる
- 分からない問題を放置しない
- 人に教えることができる
- 暗記を直前だけに頼らない
このタイプの子は、2週間前からでもテスト勉強が「ゼロからの勉強」ではなく「確認と仕上げ」になります。
だから、点数につながりやすいのです。
3週間前から動かないと厳しい子
一方で、次のようなお子さんは、3週間前から徐々に動き始めないと本番までに仕上がりにくいです。
- 普段の宿題を「とりあえず終わらせる作業」のようにこなしている
- 授業中、座っているだけ・聞いているだけになっている
- 単元テストで点数が安定しない
- 提出物の出来栄えにムラがある
- テスト前になってからようやく本気になる
- 学校ワークを提出物としてしか見ていない
2週間あれば大丈夫だと思ってたけど、ワークを開いたら全然覚えてなくて、思ったより時間がかかりました……。
このタイプの子は、テスト前にワークを開いても、ほぼ初見の状態になりやすいです。インプットからやり直さなければならないので、当然時間がかかります。
本人は「2週間あれば大丈夫」と思っていても、実際に始めてみると、
「思っていたより大変だった」
「全然覚えていなかった」
「ワークが終わらない」
となりやすいのです。
2週間前では間に合いにくい子の一番の問題は、テスト前の勉強時間が少ないことだけではありません。
普段の授業や学習が、テスト前に使える状態になっていないことです。
2週間前で十分か、3週間前から必要かを判断する基準
学習塾アイリスでは、生徒によってテスト勉強をいつから始めるか、何を優先するかを変えています。
判断材料にしているのは、主に次のようなものです。
- 次回テスト範囲の理解度
- 普段の宿題の出来具合
- 塾のワークの提出状況
- 提出物の添削結果
- 単元テストの点数
- 授業中の集中力
- 本人の目標点
- 部活や家庭の予定
特に大切なのは、理解度です。
塾では、ワークを期限までに提出してもらい、先生が添削します。そうすると、生徒がどの程度理解しているのかが一目瞭然です。
提出物の出来具合、単元テストの点数、授業中の集中力などを見ながら、生徒本人と話し合って、
「何を優先するか」
「いつから始めるか」
「どの教科を先に進めるか」
を決めていきます。
つまり、テスト勉強の開始時期は、全員一律ではありません。
同じ2週間前でも、理解度が高い子と、学び直しが必要な子では、やるべきことが変わります。
まずは何から始める?テスト3週間前に親子で確認したい5つのこと
テスト3週間前になったら、まず次の5つを確認してください。
- テスト日程は分かっているか
- 前回テスト後からどこまで授業が進んでいるか
- 学校ワークはどこまで終わっているか
- 苦手な教科はどれか
- 部活や家庭の予定で勉強できない日はあるか
この5つを先に確認しておくだけで、テスト前に「思っていたより大変だった」となる失敗を減らせます。
特に大切なのは、学校ワークの進み具合です。
「ワークが思ったより残っていた」
「教科ごとの量に差があった」
「苦手教科に時間が足りなかった」
となる子は少なくありません。
3週間前の段階で、全体量を見ておくだけでも、テスト前の動き方は変わります。
テスト勉強を始める「前」にやっておくべき3つの準備
ここからが、競合サイトではあまり語られていない大事な話です。
テスト勉強は「始めた瞬間」から始まるのではありません。
始める前の準備で、すでに勝負の半分はついています。
準備1:前回のテスト範囲・結果を見直す
次のテスト範囲が発表される前にできることがあります。前回のテストで間違えた問題を見直すことです。
- どの単元で点を落としたか
- なぜ間違えたか
- 覚えていなかったのか
- 理解していなかったのか
- ケアレスミスだったのか
- 同じパターンのミスを繰り返していないか
ここを確認しておくと、次のテストの積み上げ型科目、特に英語・数学で必ず効いてきます。
準備2:教科書・ワークの「終わっていないページ」を洗い出す
テスト3週間前の段階で、次のことを一度確認します。
- 教科書のどこまで授業が進んでいるか
- 学校ワークがどこまで終わっているか
- 塾の問題集がどこまで進んでいるか
テスト範囲は、おおむね前回のテスト範囲の続きから始まります。そのため、範囲発表を待たなくても、ある程度は予測できます。
準備3:目標点を決めて家族で共有する
保護者の方にも、ぜひお願いしたいことがあります。
お子さんに、「今回は何点を目標にする?」と聞いて、その数字を一緒に共有してあげてください。
ポイントは、現実的な目標にすることです。
前回50点だった科目を、今回いきなり90点にするのは現実的ではありません。
まずは、前回より10点から20点アップを目安に、堅実に積み上げる目標を一緒に決めましょう。
テスト後に「未来の自分への手紙」を書く理由
学習塾アイリスでは、定期テストが終わったあと、生徒に全教科の振り返りを書いてもらっています。
この取り組みは、テスト後の反省をその場で終わらせず、次のテスト前にもう一度思い出すための仕組みです。
振り返る内容は、次のようなものです。
- 各教科の目標点
- 実際の点数
- 良かった点
- 次回のテストにつなげるヒント
- 〇か月後の自分へ向けた手紙
岩澤コーチ
この手紙は、先生に見せるための反省文ではありません。自分に正直に、純粋に自分のために書いてもらいます。
生徒には、こう伝えています。
「先生はこの手紙を一切見ません」
「自分に正直に、純粋に自分のために書いてください」
書き終えた手紙は、封筒に入れて塾で一時的に預かります。
そして、次の定期テストの3週間前に返却します。
あー、そうだった!前回、ワークをためて大変だったんだった……。
実際に手紙を返すと、多くの生徒が「あー、そうだった!」と言います。
テスト直後には「次こそは早めに始めよう」「ワークをためないようにしよう」と思っていても、テスト前になると、そのときの気持ちは薄れてしまいやすいものです。
心理学における「感情減衰バイアス」という考え方
心理学、とくに自伝的記憶の研究では、過去の出来事に伴う感情の変化について、感情減衰バイアス(Fading Affect Bias:FAB)という考え方があります。
これは、自分が経験した出来事を思い出すとき、ネガティブな出来事に伴う感情は、ポジティブな出来事に伴う感情よりも時間とともに弱まりやすい、という傾向を指します。
つまり、「嫌だったことを完全に忘れる」というよりも、そのときの悔しさ・反省・痛みの強さが、時間とともに薄れやすいと考えると分かりやすいです。
参考:感情減衰バイアスについては、PubMed掲載のRitchieらの研究概要や、Walker & Skowronskiのレビュー論文でも説明されています。
参考リンク:
PubMed:A pancultural perspective on the fading affect bias in autobiographical memory
Walker & Skowronski:The Fading Affect Bias
だからこそ、テスト直後に感じた「次こそは」という気持ちを、忘れる前に未来の自分へ残しておくことに意味があります。
次のテスト3週間前にその手紙を読むことで、前回の反省がよみがえり、「いつも通りのテスト勉強」に戻るのを防ぎやすくなります。
テスト後の振り返りは、終わったテストの反省ではなく、次のテストを変えるための準備です。
【3週間前スタート】21日間の理想スケジュール
ここからは、具体的な日程に落とし込んでいきます。
3週間前から前日までに何を進めるかは、次の図のように考えると整理しやすくなります。
ただし、これはあくまで理想の目安です。部活、科目数、本人の理解度によって調整してください。
大切なのは、すべてを完璧にこなすことではありません。早めに全体を見て、苦手な部分を後半に残しすぎないことです。
3週間前〜2週間前:基礎固めと範囲予測の1週間
この時期は、まだ「徐々に」で構いません。1日のすべてをテスト勉強に充てる必要はありません。
1週目にやること
- 教科書を読み直す
- 習ったところまで学校ワークを進める
- 英単語・漢字・社会の用語を1日10〜20個ずつ覚え始める
- 塾では単元テストを少しずつ終わらせる
1日の勉強時間の目安
- 平日:60〜90分
- 部活が忙しい日:最低30分でもよい
- 休日:2〜3時間
この時期は「貯金を作る」期間です。直前1週間に追い込むためのスタートダッシュだと思ってください。
2週間前〜1週間前:ワーク1周目を完了させ、2周目へ入る1週間
テスト範囲が発表されたら、いよいよ本格化します。
2週目にやること
- 学校ワークを範囲の最後まで1周終わらせる
- 間違えた問題には印をつけておく
- 学校から出る提出物は、この週中に完了を目指す
- ワーク2周目に入り、間違えた問題を解き直す
- 苦手な教科を早めに確認する
1日の勉強時間の目安
- 平日:90〜120分
- 休日:4〜5時間
ここでよくある失敗が、ワークを1周しただけで満足するパターンです。
1周目は、多くの子にとって「できないところを見つける作業」です。1周終わっただけでは、まだ点数にはつながりません。
ワークは最低3周を目標にしましょう。
1週間前〜前日:3周目以降・過去問・解き直しで仕上げる1週間
1週間前になると、多くの中学校で部活動が休みに入ります。ここからが本当の勝負です。
3週目にやること
- ワーク2周目を5日前ごろまでに終わらせる
- 5日前からはワーク3周目以降に入る
- 不安な問題を中心に、できるまで繰り返す
- 5日前から2日前は過去問に挑戦し、間違えたところをつぶす
- 該当教科のテスト前日は、これまで勉強した内容の最終確認をする
- 前日は新しいことを増やさず、早めに寝る
1日の勉強時間の目安
- 平日:2〜3時間
- 休日:4〜6時間程度
学校の提出物をテスト前日まで引っ張ってしまう子がいますが、これは避けたいところです。
提出物である学校ワークは、早めに提出できる形にしておきましょう。
提出できる形にしたうえで、2周目・3周目以降・過去問・解き直しに進むことで、点数につながる勉強になります。
【2週間前スタート】14日間の理想スケジュール
「3週間前から動くのは現実的に難しい」という子のために、2週間前スタートのスケジュールも示しておきます。
ただし、これは普段の授業をしっかり聞いている子でないと、点数は伸びにくいことを覚えておいてください。
2週間前〜1週間前:ワーク1周目と提出物着手
やること
- 教科書を読み直しながら、学校ワークを1周する
- 暗記科目は1日30〜40個ペースで覚える
- 提出物は1週目中に半分以上終わらせる
- 数学と英語は毎日少しずつ触れる
- 苦手教科を後回しにしない
勉強時間の目安
- 平日:90〜120分
- 休日:4時間程度
1週間前〜3日前:ワーク2周目と苦手つぶし
やること
- ワークの2周目を行う
- 間違えた問題を中心に解き直す
- 提出物を3日前までに完全に終わらせる
- 苦手科目は2倍の時間をかける
- 暗記科目の確認テストをする
勉強時間の目安
- 平日:2〜3時間
- 休日:4〜6時間程度
体力や部活の状況によって調整して構いませんが、学校ワークの2周目には必ず入りたいところです。
3日前〜前日:暗記の総仕上げと前日の過ごし方
やること
- 暗記科目の最終確認
- ワーク3周目
- まだ不安な問題だけ解き直す
- 前日は翌日の科目に集中する
- 夜更かしはしない
- 当日朝に見直す直前ノートを作る
前日は、新しい問題を増やすよりも、これまで間違えた問題を確認しましょう。
特に中学生は、睡眠不足になると計算ミスや読み間違いが増えます。
前日は、知識を増やす日ではなく、力を出せる状態に整える日と考えてください。
学校ワークは「提出物」でもあり「点数を上げる教材」でもある
定期テスト前の勉強で、特に重要なのが学校ワークです。
学校ワークは提出物です。しかし、提出するためだけに終わらせてしまうと、点数にはつながりにくくなります。
学校ワークは、1周目・2周目・3周目以降で役割が変わります。
1周目
範囲全体を進め、分からない問題に印をつけます。まずは提出できる形にすることが大切です。
2周目
間違えた問題を中心に解き直します。なぜ間違えたのかを確認する段階です。
3周目以降
まだ不安な問題をできるまで繰り返します。テスト本番で解ける状態に近づけます。
過去問・類題
5日前から2日前を目安に挑戦し、間違えたところをしっかりつぶします。
学校ワークは、終わらせるものではなく、できるようにするものです。
塾長が見てきた「計画倒れ」3つの典型パターン
20年以上指導してきて、計画倒れになる生徒には決まったパターンがあります。
これを知っておくだけで、お子さんの計画が崩れる前に手を打てます。
パターン1
締め切りを楽観視して、ぎりぎりで始める
パターン2
実力不足のまま走り出す
パターン3
予定外のイベントで計画が狂う
対策
8割で合格点。予備日を作る
パターン1:締め切りを楽観視して、ぎりぎりで始める
圧倒的に多いのが、このパターンです。
「まだ大丈夫」
「2週間前からで間に合う」
「ワークくらいすぐ終わる」
と楽観視して先延ばしにし、いざ始めてみると、
「思っていたより大変だった」
となります。
習った直後より時間がたっているぶん、思い出すのに時間がかかります。
やることがあれば、先延ばしする前に少しでも手を付けておく。
これは、テスト勉強に限らず、社会人になっても役に立つ習慣です。
パターン2:実力不足のまま走り出す
早めに勉強を始めて、勉強もしているのに点数が伸びない子もいます。
原因は、理解度の低さです。
学び直しに時間を取られ、インプット量ばかり多くなり、アウトプットの演習量が足りないまま試験日を迎えてしまう。
これでは点数は上がりません。
このタイプの子には、塾や学校の先生に早い段階で「どこから手をつけるべきか」相談することを強くおすすめします。
一人で抱え込ませないことが大事です。
パターン3:予定外のイベントで計画が狂う
クラブの大会、家庭の用事、体調不良、学校行事。予定通りにいかないことは必ず起きます。
これを防ぐには、計画にあらかじめ予備日を組み込んでおくのが一番です。
3週間前スタートなら、1週目のうちに2日ほど「調整日」を作っておく。
これだけで、急なイベントが入っても計画全体が崩れにくくなります。
論語に「過ぎたるは猶及ばざるが如し」という言葉があります。
完璧すぎる計画は、かえって続かないものです。
8割できれば合格点くらいの計画にしておくのが、長続きするコツです。
中1・中2・中3でテスト勉強の進め方は変わる
テスト勉強の進め方は、学年によって変わります。
私は、中学生のテスト勉強は「守破離」で考えると分かりやすいと思っています。
武道や茶道で使われる言葉ですが、私自身は剣道で学んだ考え方です。
| 中1 | 守:まずは型を守る |
|---|---|
| 中2 | 破:基本を守りつつ、自分のやり方を試す |
| 中3 | 離:自分で計画を立てて動く |
最初から自分流でうまくいく子は多くありません。
まずは型を守る。次に、基本を守ったうえで少しずつ自分に合う形にする。最後に、自分で計画を立てて動けるようにする。
これが中学生のテスト勉強でも大切です。
中1=「守」:先生や保護者の指示通りに動く時期
中学校生活そのものが初めての中1にとって、定期テストも未知の世界です。
学習塾アイリスでは、中1の生徒には先生の指示とマニュアルに従って、1から勉強のやり方を身につけてもらいます。
最初は細かい指示のもとで取り組みます。
- テスト範囲を見る
- 学校ワークを進める
- 丸つけをする
- 間違い直しをする
- 暗記をくり返す
- 提出物を整える
中1の最初のテストで大切なのは、点数だけではありません。
中学生としてのテスト勉強の型を作ることです。
ここで型を覚えた子は、中2以降がかなり楽になります。
中2=「破」:基本を守りつつ、自分のやり方を試す時期
中2は中学校生活の2周目です。少し余裕も出てきます。
テスト勉強も、スタートの笛を鳴らしてあげれば、ある程度自分で進められる子が増えてきます。
ただし、まだ完全に手を放してよい時期ではありません。
要所要所でチェックし、アドバイスする。
中1のときの型を守りながら、少しずつ自分のやり方を加えていく時期です。
中2は、中だるみが出やすい学年でもあります。
基本を守ったうえで、自分に合った勉強の仕方を少しずつ作っていく時期だと考えてください。
中3=「離」:自分で計画を立てて動ける時期
中3は、中学校生活の最終学年です。自分で計画を立て、テストに臨めるようになる子も増えてきます。
ただし、中3は受験生という立場が加わります。
通常のテスト勉強に、受験勉強も加わるため、負担はかなり大きくなります。
特に、人生で初めての本格的な受験が高校受験という子も多いです。
そのため、中3では勉強面だけでなく、メンタル面のケアも必要になります。
岩澤コーチ
中3は、通常の定期テストに受験勉強も重なります。点数だけではなく、表情・睡眠・疲れ方にも目を向けてあげてください。
保護者の方は、点数だけを見るのではなく、次のことにも気を配ってあげてください。
- 表情
- 睡眠
- 疲れ方
- 不安の強さ
- 学校や塾での様子
心のケアがあることで、受験に立ち向かう勇気が生まれることがあります。
「いつから始めるか」より大切な、家庭でできる3つのサポート
ここまで読んでくださった保護者の方に、もう一つ大事なことをお伝えします。
「いつから」よりも、「どう関わるか」のほうが、子どもの成績を左右することがあります。
1. 「勉強しなさい」ではなく、子どものリズムを尊重する
保護者の方からよく聞く悩みが、
「声をかけても『分かってる』と返されてケンカになる」
というものです。
これは、子どもなりに「いつから何をする」と決めているところに、違うリズムの声かけが入ってくるから起きることがあります。
子どもは「今やろうと思ってたのに!」と感じて反発します。
そういうときは、いったん見守るのも一つの手です。
でも、見守るだけだと本当に勉強しないのでは……と心配になります。
岩澤コーチ
心配なときは、子どもに直接言い続けるより、塾や学校の先生に相談するのも一つの方法です。親子でぶつからずに済むことがあります。
心配なときは、塾や学校の先生に、次のように相談してみてください。
「うちの子は塾でどんな様子ですか?」
「テスト勉強の計画を一緒に立ててもらえますか?」
「家ではどこまで見守ればよいでしょうか?」
ここで一つコツがあります。
場合によっては、子どもには内緒で先生に相談することです。
思春期の子は、親が先生に話したと知ると、しばらく親子関係が悪化することがあります。私もそうしたケースを何度も見てきました。
親子で直接ぶつかるよりも、学校や塾の先生をうまく頼ることで、子どもが動きやすくなることがあります。
2. 「できなかったこと」より「できたこと」を見つけて褒める
これは、私が保護者の方に必ずお願いしていることです。
できなかったことより、できたことを見る。
それが学習です。
- ワークが1周終わった
- 英単語を10個覚えた
- 昨日より15分長く机に向かえた
- 間違い直しを1ページできた
- 自分から教科書を開いた
どんな小さなことでも構いません。できたことを言葉にして伝えてあげてください。
声を荒げて怒れば、子どもは強制力で勉強するかもしれません。しかしそれは精神的なショックを与えての勉強になり、前向きに進まず、短期記憶で終わってしまうことが多いんです。
今は、寄り添う時代だと私は思っています。
3. 怠けるときは「どうしたいか」を本人に聞く
子どもですから、怠けることもあります。
そのときは、頭ごなしに叱るのではなく、まず
「どうしたい?」
を本人に聞くことから始めてください。
そして、子どもの答えに応じて関わり方を変えます。
| 一緒に走る | 隣で勉強する |
|---|---|
| 一緒に歩く | 進捗を一緒に確認する |
| 後ろで見守る | 本人に任せる |
どの関わり方がよいかは、子どもによって違います。
親が一方的に決めるのではなく、子どもの意思を引き出してあげる。
これが、長く伸び続ける子を育てる関わり方だと、私は20年以上の指導の中で確信しています。
アイリスの生徒たちが証明してくれたこと
最後に、私の塾の生徒たちのことを少しだけお話しさせてください。
もちろん、すべての生徒が同じように伸びるわけではありません。
それでも、学習塾アイリスでは、2026年春入試で中3生全員が入試本番で自己最高点を更新し、全員合格することができました。
中には100点以上伸ばした生徒もいます。
彼らに共通していたのは、特別な才能ではありません。
正しい方法で、正しい順番で、早めに動き始めた。
それだけです。
定期テストでも、入塾前に学年10位以内に入っていなかった生徒たちが、学年1位、2位、3位に入るようになった例があります。上位層にも、多くのアイリス生が入るようになりました。
生徒同士が切磋琢磨してくれた結果です。
伸びる生徒には、共通点があります。
- 早めに動き出す
- 学校ワークを提出だけで終わらせない
- 間違い直しを何度もする
- 授業をよく聞く
- 分からないことを放置しない
- 作戦通りに進める
- 周りの仲間と切磋琢磨する
テスト勉強は、ただ長時間やればよいものではありません。
正しい時期に、正しい順番で、正しい方法で取り組むことが大切です。
よくある質問
テスト3週間前に範囲が発表されていない場合は何をすればいいですか?
範囲が発表されていなくても、前回のテスト範囲の続きと今授業で習っている内容は、出題される可能性が高いです。
教科書の該当範囲を読み直し、学校ワークを進めておけば無駄になりません。
範囲発表を待たずに動ける生徒が、結果的に高得点を取りやすくなります。
部活が忙しくて2週間前から始められません
部活がある日は、無理に2時間取らなくても大丈夫です。
1日30分でも机に向かう習慣をつけてください。
3週間前から1日30分でも、合計するとかなりの勉強時間になります。
何もしないまま2週間前を迎えるより、はるかに有利です。
1週間前からでも間に合いますか?
正直に言えば、1週間前からでは高得点を狙うのはかなり難しくなります。
普段の授業をしっかり聞けている子なら、一定の点数は取れることがあります。しかし、学校ワークが残っていたり、苦手単元が多かったりする場合は、1週間前では時間が足りません。
高得点を狙うなら最低でも2週間前、上位を狙うなら3週間前からの着手がおすすめです。
1日何時間勉強すればいいですか?
学年や目標点にもよりますが、目安は次の通りです。
- 平常時:平日60〜90分、休日2〜3時間
- 2週間前:平日90〜120分、休日4〜5時間
- 1週間前:平日2〜3時間、休日4〜6時間程度
ただし、これはあくまで目安です。
夜更かしして睡眠時間を削るのは逆効果です。睡眠は記憶の定着にも関わります。
勉強時間だけでなく、生活リズムも大切にしてください。
学校ワークは何周すればいいですか?
最低3周を目安にしてください。
- 1周目:全体を解いて、分からない問題を見つける
- 2周目:間違えた問題を中心に解き直す
- 3周目以降:まだ不安な問題だけを仕上げる
学校ワークは、提出するためだけのものではありません。
テスト本番で解けるようにするために使う教材です。
まとめ:「いつから」を決めるより「どう始めるか」を決めよう
最後に、この記事のポイントを整理します。
- 中学生の定期テスト勉強は、3週間前から徐々に・2週間前から本格化が理想
- 普段の授業を集中して聞けている子は2週間前スタートでも間に合うことがある
- 普段の学習意識が低い子は3週間前から動き始める必要がある
- テスト後の振り返りを、未来の自分への手紙として残す
- 中1=守、中2=破、中3=離の段階を意識して関わる
- 学校ワークは提出物として早めに仕上げる
- ワークは1周で終わらせず、2周目・3周目以降で点数につなげる
- 保護者は「できたこと」を見つけて褒める
- 計画は8割の達成度を目指し、予備日を組み込んでおく
「いつから」を決めるのも大事ですが、それ以上に大事なのは、どう始めるかです。
「千里の道も一歩から」という言葉があります。
私が留学していたカナダでも、英語が話せない私はまさにその一歩から始めました。
中学生のテスト勉強も同じです。
完璧な計画より、まず今日から教科書を1ページ開く。
それが、3週間後・2週間後の点数を変える、何より確かな一歩です。
お子さんの頑張りを、ぜひ温かく見守ってあげてください。応援しています。
