1学期の通知表を受け取り、次のように困っている保護者の方もいると思います。
「思っていたより評定が低かった」
「テストでは点を取っていたのに、どうしてこの評定なの?」
「夏休みに何から勉強させればよいのか分からない」
観点別評価がすべてA、テストは2回とも90点以上。それでも数学が4だった理由
次の通知表は、私の塾に通う中学2年生の1学期の実例です。
- 数学の中間テスト・期末テストは、どちらも90点以上
- テスト時の提出物は期限どおりに提出
- 間違えた問題を何度もやり直し、やり直しの印も記入
- 数学の観点別評価は3項目ともA
それでも、数学の評定は4でした。なぜだと思いますか?
生徒が学校の先生へ理由を確認したところ、普段の宿題を一度だけ、提出期限より1日遅れて出したことも評価に含まれていると説明を受けたそうです。
テストの点数やテスト時の提出物だけでなく、普段の提出状況も確認しなければ、評定の理由が見えない場合があります。
※これは一つの学校での実例です。評定の決め方や提出物の扱いは、学校・教科・担当教員によって異なります。評価理由が分からない場合は、2学期に改善できる点を学校へ確認してください。
私なら、通知表の数字だけを確認して、「勉強不足だった」とは判断しません。
評定とは、通知表で教科ごとにつけられる「5・4・3・2・1」の数字です。
定期テストの点数だけで決まるのではなく、知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度などをもとに評価されます。
通知表と定期テストの答案を机へ並べ、
- 暗記や基本問題で失点したのか
- 記述や応用問題が弱かったのか
- 提出物や普段の学習に問題があったのか
を確認します。
通知表には、2学期から直す内容を決める手がかりがあります。
この評定は、地域や選抜方法によって、高校入試の調査書点、推薦基準、出願条件などに使われることがあります。
1学期の評定そのものは変えられませんが、通知表から原因を探せば、2学期から変える内容を決められます。
この記事では、通知表と答案から原因を確認し、夏休みに優先する内容を絞ります。
そのうえで、宿題と戻り学習をどのように組み合わせるのか、最初の7日間に何をするのかを説明します。
通知表から分かる2学期の改善点
通知表を確認するとき、評定の数字だけで終わっていないでしょうか。
同じ評定3でも、その評定になった理由はお子さんによって違います。
たとえば、
- 英単語や漢字を覚えていなかった
- 数学の基本問題で失点していた
- 記述問題や証明が空欄だった
- 学校ワークの提出が遅れていた
- 間違い直しをしていなかった
- 小テストの準備をしていなかった
などです。
原因が違えば、夏休みにすることも変わります。
単語を覚えていないお子さんに、記述問題ばかり解かせても点数は上がりにくいでしょう。
基本問題は正解しているのに、理由説明や証明が書けないお子さんへ、暗記だけを増やしても足りません。
通知表を確認する目的は、過去の結果を責めることではありません。
2学期から何を変えるのかを決めることです。
最初にそろえる通知表と定期テストの答案
夏休みの勉強を決める前に、次の資料を机へ並べます。
- 1学期の通知表
- 定期テストの答案
- 学校ワーク
- 実力テスト
- 平均点や順位が分かる成績資料
- 返却された小テストや提出課題
全部そろっていなくても構いません。
最初は、通知表と定期テストの答案だけでも確認できます。
ここで、通知表の観点別評価と、定期テストの観点別得点を比べます。
通知表と定期テストの観点別評価の比較
定期テストの答案に、
- 知識・技能
- 思考・判断・表現
の得点が分かれて書かれている学校があります。
合計点だけではなく、それぞれの観点で何点取れているかを確認してください。
通知表には、主に次の3つの観点が書かれています。
- 知識・技能
- 思考・判断・表現
- 主体的に学習に取り組む態度
答案と通知表を並べ、どこがAで、どこがBやCなのかを確認すると、夏休みの作戦を立てやすくなります。
知識・技能の得点や評価が低い場合
暗記や基本問題で失点している可能性があります。
英語では、次を確認します。
- 英単語
- 基本文法
- 基本的な語順
数学では、次を確認します。
- 計算
- 公式
- 基本問題の解き方
理科や社会では、次を確認します。
- 重要用語
- 基本事項
- 図や資料の基本的な読み方
同じ知識・技能の失点でも、原因は次のように分かれます。
- 覚えていなかった
- 解き方を知らなかった
- 計算の途中で間違えた
- 問題文を正しく読めなかった
原因によって、対策は違います。
答案から、何が原因だったのかを確かめてください。
思考・判断・表現の得点や評価が低い場合
暗記だけを増やしても足りません。
次のような問題で失点していないか確認します。
- 記述問題
- 理由を説明する問題
- 数学の証明
- 英作文
- 資料やグラフを読み取る問題
- 習った内容を組み合わせて解く問題
基本事項は分かっていても、それを使って説明したり、文章にしたりできないお子さんがいます。
この場合は、模範解答を読むだけで終わらず、自分で説明して書き直す練習が必要です。
主体的に学習に取り組む態度が低い場合
定期テストの答案には、この観点の得点欄がない場合があります。
この観点は、挙手の回数やノートの見た目だけで決まるものではありません。学習へ粘り強く取り組み、自分の学習方法を調整しようとしているかが確認されます。
通知表でこの評価が低かった場合は、提出物、小テスト、間違い直し、学習の振り返りなど、普段の学習状況を確認します。
提出物の詳しい確認方法は、後ほど説明します。
家庭だけで評価の理由を決めつけず、分からない場合は学校の先生へ、
2学期に評価を上げるために、普段の学習で本人が改善できる点を教えてください
と相談してください。
この評定って、受験にも関係あるのですか?
地域や選抜方法によって違いますが、評定が調査書点や推薦基準に関わる学校があります。だから、通知表は見て終わりにしないことが大切です。
高校受験に関係する通知表の評定
通知表と、高校へ提出される調査書は同じものではありません。
ただし、通知表に書かれた評定は、地域や選抜方法によって、
- 調査書点や内申点
- 推薦を受けるための校内基準
- 高校やコースの出願条件
- 入試の合否を判断する資料
として使われることがあります。
高校入試で使われる評定の学年や時点、点数への換算方法は、地域、年度、高校、学科、選抜方法によって異なります。
1学期の通知表が、そのまま「1学期分の入試資料」として高校へ提出されるとは限りません。
ただ、1学期の評価には、現在の学習方法を振り返る手がかりがあります。弱い観点や学習方法を確認し、2学期から直す内容を決めてください。
志望校が決まったら、受験する年度の基準を学校や塾の先生に確認してください。
通知表、評定、内申点の違いは、次の記事で詳しく説明しています。
通知表と答案から整理する評定が低かった原因
通知表と答案を並べたら、評定が低かった原因を整理します。
評定が低かったからといって、5教科を最初から全部やり直す必要はありません。新しい問題集を何冊も買う必要もありません。
小テスト、提出物、基本問題、勉強開始時刻まで確認し、お子さんが2学期から変える内容を探します。
小テストと普段の学習状況
定期テストでは点数を取れていても、普段の小テストでは点を落としているお子さんがいます。
英語の定期テスト前には単語を覚えても、毎週の単語テストでは準備していないことがあります。
理科や社会も、テスト前にまとめて覚え、テストが終わると忘れている場合があります。
次のものが残っていれば、定期テストと一緒に確認してください。
- 英単語や漢字の小テスト
- 単元テスト
- 授業中の確認テスト
- 再テスト
- 学校ワークの間違い直し
定期テストだけでは分からなかった、普段の勉強の仕方が表れます。
「出した」で終わらない提出物の確認
提出物についてお子さんに聞くと、「ちゃんと出した」と答えることがあります。
ただ、提出したかどうかだけでは判断できません。
次の点を確認してください。
- 期限を守ったか
- 空欄を残していないか
- 丸付けをしたか
- 間違いをやり直したか
- 答えを写しただけになっていないか
- 提出直前に慌てて終わらせていないか
テストの点数は悪くないのに、通知表の評価が思ったより低かった場合は、提出物や小テストなど、普段の学習に原因がないか確かめます。
テストの点数に比べて評定が低い理由については、関連記事でも詳しく説明しています。
基本問題の失点から探す戻り単元
現在習っている単元だけを繰り返しても、点数が変わらないことがあります。
その場合は、前の学年も含め、分からなくなった単元まで戻ります。
数学では、次のような状態があります。
- 比例・反比例が分からないまま一次関数へ進んでいる
- 方程式が不安定なまま文章問題へ進んでいる
- 図形の基本が分からないまま証明へ進んでいる
英語では、次の内容が曖昧なまま、長文や英作文へ進んでいるお子さんがいます。
- be動詞と一般動詞の区別
- 三単現
- 過去形
- 基本単語
- 英文の語順
前の学年を最初から全部やり直すわけではありません。現在の問題を解くために必要な、分からなくなった単元まで戻ります。
勉強内容を決める前の学習開始状況
何を勉強すればよいか分かっていても、始められないお子さんがいます。
たとえば、次のような状態です。
- 起きる時刻が毎日違う
- 勉強を始める時刻が決まっていない
- 親に言われるまで始めない
- その日の気分で教科を決める
- 夜になってから宿題を思い出す
この状態で細かな予定を作っても、予定どおりには進みにくくなります。
自分から始められない場合は、先に開始時刻を決めます。
たとえば、部活がない日は午前10時、部活がある日は午後7時30分から始める、という決め方です。
まず同じ時刻に始められるようにしてから、宿題と復習を組み合わせます。
悪かったところが多いなら、全部やらせた方がよいですか?
5教科の勉強は続けますが、特に直す内容は1〜2個に絞ります。全部を同じ重さでやると、夏休みの途中で手が止まりやすいからです。
夏休みに重点的に直す1~2個の課題
ここまで確認した内容から、夏休みに重点的に直すことを1~2個決めます。
たとえば、
- 英語の基本単語と文法
- 数学の基礎単元
- 記述問題の書き方
- 提出物の進め方
- 小テストの準備
- 決めた時刻に勉強を始めること
などです。
1~2個に絞るといっても、ほかの教科を勉強しないわけではありません。学校の宿題や5教科の勉強を続けながら、特に時間を使う内容を決めます。
夏休みの5教科復習と重点2教科の英語・数学
夏休みは、国語・数学・英語・理科・社会を復習できる期間です。
5教科すべてに取り組めるなら、5教科の復習を進めてください。
理科や社会の点数が特に低いお子さんが、英語と数学だけを勉強すればよいわけではありません。
ただし、学習時間や理解度によっては、5教科を同じ深さで復習できない場合もあります。
重点を2教科に絞るなら、私は英語と数学を優先します。
英語と数学は、前に習った内容を使いながら新しい単元へ進む教科です。分からなくなった単元を残したまま2学期へ進むと、その後の授業でも止まりやすくなります。
英語と数学の戻り学習に時間を取りながら、国語・理科・社会の宿題や復習も週間予定へ入れてください。
複数の問題に対応する土台づくりと重点課題
通知表と答案を確認すると、問題が一つではない場合があります。
たとえば、英語の基礎が抜けているだけでなく、提出物が遅れ、夏休みに勉強を始める時刻も決まっていないお子さんです。
この場合も、すべてを同じ重さで予定へ入れるわけではありません。
最初に、夏休みの勉強を進めるための土台を確認します。
- 夏休みの宿題は何が出ているか
- それぞれの提出日はいつか
- 何時から勉強を始めるか
この3つは、先ほど決めた重点課題とは別です。
宿題の量と提出日が分からなければ、復習へ使える日数を決められません。開始時刻が決まっていなければ、学習内容を決めても始められない日が続きます。
先ほど決めた重点課題1~2個と、この土台を組み合わせて、1週間の予定を作ります。
たとえば英語の基礎を重点課題にした場合は、勉強開始時刻を決めたうえで、先に戻り学習を行い、そのあとに宿題の対応する単元を解きます。
宿題を全部終えてから重点課題へ取り組む必要も、重点課題がすべて終わるまで宿題を止める必要もありません。
夏休みの宿題と戻り学習は、どちらを先にしたらよいのですか?
まず宿題の目次を見て、苦手な単元を探します。その単元を先に戻り学習してから、対応する宿題へ進むと、分からない問題が減りやすくなります。
夏休みの宿題で最初に確認する目次
夏休みの宿題は、最初のページから順番に解き始める必要はありません。
まず、宿題の目次を開いてください。
定期テストの答案や学校ワークも確認しながら、お子さんが苦手な単元を探し、目次の単元名に★を付けます。
数学では、次のような単元から、基本問題でも間違いが多かったものを探します。
- 方程式
- 比例・反比例
- 一次関数
- 図形
英語では、次のような内容を確認します。
- be動詞と一般動詞
- 三単現
- 過去形
- 助動詞
- 基本単語
- 英文の語順
先に目次を確認しておくと、宿題の該当ページへ進む前に、復習する単元を決められます。
★を付けた単元の基礎への戻り学習
目次に★を付けた単元は、いきなり宿題の問題へ進まず、先に基礎を復習します。
使うものは、新しく買った教材でなくても構いません。
次の中から、お子さんが理解しやすいものを使います。
- 今持っている基礎問題集
- 学校の教科書
- 参考書
- 以前の学年の学校ワーク
- 授業ノート
- YouTubeなどの解説動画
解説動画を使っても構いません。
ただし、動画を視聴するだけでは、問題を解けるようになったか分かりません。
内容を確認したら、基礎問題集や教科書の例題を使い、同じ種類の問題を実際に解いてください。
たとえば数学の比例・反比例が苦手なら、次の順番です。
- 宿題の目次で「比例・反比例」に★を付ける
- 教科書、基礎問題集、参考書、解説動画などで基本を確認する
- 最も基本的な問題を解く
- 同じ種類の問題を、解説なしで続けて解く
- 宿題の比例・反比例のページへ進む
英語の過去形が苦手な場合も同じです。
一般動詞の現在形や三単現が曖昧なら、先にそこまで戻ります。
基本的な文の作り方を確認してから、過去形の宿題へ進みます。
数学で最初に作る「解ける」感覚
数学が苦手なお子さんに、最初から長い説明を続けても、問題を解く前に疲れてしまうことがあります。
私の塾では、まず最も基本的な問題へ取り組んでもらいます。
その際、解き方のコツを、生徒に分かりやすく「裏技」と呼ぶこともあります。
ここでいう裏技は、理由を理解せず、答えだけを出す方法ではありません。
複雑に感じる問題を、お子さんが使える手順へ整理したものです。
最初に、
この方法なら解ける 自分でもできた
と感じてもらいます。
問題が解けると、次の問題にも取り組みやすくなります。
詳しい理由や、応用問題での使い方は、そのあとに説明します。
最初から難しい問題へ進まず、基本問題を自力で解ける状態を作ってから、宿題の対応する単元へ進みます。
長文の音読と和訳で決める英語の戻り先
英語では、教科書程度の英文を音読し、日本語へ訳してもらいます。
私が長文を使うのは、英単語、文法、発音、語順、文の組み立てが、そこにすべて入っているからです。
音読と和訳をしてもらうと、どこで止まっているのかを確認できます。
たとえば、
- そもそも単語を読めない
- 読めるが意味が分からない
- 単語の意味は分かるが、文全体を訳せない
- be動詞と一般動詞を区別できていない
- 三単現や過去形などの基本文法が曖昧
- 単語を並べる順番が分からない
といった状態です。
英語が苦手なお子さんの中には、文法も単語のように形だけ覚えればよいと思っている場合があります。
しかし、文法の形を覚えても、英文の中で使えなければ問題は解けません。
音読と和訳で止まった場所を確認し、必要な単語や文法まで戻ります。
基本を復習したあと、もう一度同じ程度の英文を音読し、和訳できるか確認してください。
基礎を確認してから宿題へ進む目安
一度正解しただけでは、基礎が身についたとは判断しません。
次の2点を確認します。
- 同じ種類の基本問題を、解説を読まずに続けて解ける
- なぜその解き方を使ったのか説明できる
数学なら、なぜこの式を使ったのか
英語なら、なぜここではbe動詞を使うのか、なぜ動詞にsが付くのか
を説明してもらいます。
基本問題を自力で続けて解き、解き方も説明できるようになったら、宿題の対応するページへ進みます。
基礎が完璧になるまで、宿題を止める必要はありません。
基礎問題を自力で解け、解説を読めば自分で直せる状態になったら、宿題を使って理解を確かめます。
原因別|夏休み最初の7日間の学習内容
以下は原因別に分かれています。すべて行う必要はありません。お子さんに当てはまる7日間だけを使ってください。原因が複数ある場合は、先ほど決めた重点課題1~2個を同じ日の予定へ組み合わせます。
基礎の抜けがあったお子さんの7日間
| 日 | すること |
|---|---|
| 1日目|苦手な教科を一つ決める | 通知表と答案から、基礎問題の失点が多かった教科を一つ選びます。資料を確認するだけで終わらせず、その日のうちに基本問題も少し解いてください。 |
| 2日目|戻る単元を決める | 数学なら基本問題、英語なら音読と和訳などを使い、どこで分からなくなったかを確認します。前の学年を最初から全部やり直すのではなく、現在の問題を解くために必要な単元まで戻ります。 |
| 3~5日目|基本問題を繰り返す | 同じ種類の基本問題を解きます。答えを覚えるのではなく、解き方を確認しながら、自力で解ける問題を増やしてください。 |
| 6日目|少し形を変えた問題を解く | 数字や文章の形が少し変わった問題を解きます。すぐに解けなかった場合も、解説を読めば理解できるか確かめます。 |
| 7日目|最初の問題をもう一度解く | 1日目や2日目に間違えた問題へ、もう一度取り組みます。自力で解けるようになっていれば、翌週から宿題の対応する単元や少し難しい問題へ進みます。 |
最初の1週間では、「ああ、これは習った」「解説を読めば自分で進められる」という問題を増やします。
提出物に問題があったお子さんの7日間
| 日 | すること |
|---|---|
| 1日目|宿題を全部並べる | 夏休みの宿題を教科ごとに並べます。提出日、ページ数、作文や作品など、時間がかかる課題を確認してください。 |
| 2日目|自分の締切を決める | 学校の提出日より数日前を、自分の締切にします。空欄や間違い直しを確認する日を残します。 |
| 3~6日目|予定に沿って進める | 1日に進める量を決めて取り組みます。分からない問題が多い単元は、先に基本を復習してから、宿題の対応するページへ戻ります。 |
| 7日目|進み方を修正する | 最初に決めた量まで進んでいるか確認します。遅れている場合は、1日の量が多すぎたのか、分からない問題で止まったのか、開始時刻を守れなかったのかを確かめ、翌週の予定を変更します。 |
勉強を始められなかったお子さんの7日間
| 日 | すること |
|---|---|
| 1日目|開始時刻を決める | 起床時刻と、勉強を始める時刻を本人と相談して決めます。部活動がある日とない日で、時刻を分けても構いません。 |
| 2日目|1週間の予定を掲示する | 予定は、お子さんが毎日確認できる場所へ置きます。細かな分刻みの予定ではなく、始める時刻・教科・終える範囲が分かれば十分です。 |
| 3~6日目|始められた日に印を付ける | 最初の段階では、長時間勉強することより、決めた時刻に始めることを優先します。始められた日は、予定表へ印を付けます。 |
| 7日目|始められなかった理由を確認する | 始められなかった日があれば、時刻が早すぎた、部活動で疲れていた、する内容が曖昧だった、スマートフォンやゲームをやめられなかったなど、理由を確認します。時刻や内容に無理があった場合は、予定を修正します。 |
私の塾では、決めたリズムをまず3週間ほど続けてもらいます。
分からない問題を整理する「✓・△・×」
手が止まった問題の✓
しばらく考えても解き方が分からない問題には、まず✓を付けます。
印を残してから、答えや解説を確認してください。
解説を読んで分かった問題の△
解説を読んで理解できた場合は、✓の隣に△を付けます。
△の問題は、時間を空けてからもう一度解きます。
解説を読んだ直後ではなく、その日の夜や翌日に、答えを閉じた状態で取り組んでください。
解説を読んでも分からない問題の×
解説を読んでも理解できなかった問題には、✓の隣に×を付けます。
教科書や前の単元を少し確認しても分からない場合は、一問に長い時間を使わず、学校や塾の先生へ質問します。
模範解答を読んだ後の記述問題の書き直し
知識・技能の得点は取れているのに、思考・判断・表現の得点が低かったお子さんは、暗記を増やすだけでは足りません。
記述問題や理由を説明する問題は、次の順番で取り組みます。
- 模範解答を読む
- なぜその答えになるのか口頭で説明する
- 問題文や資料の根拠に線を引く
- 模範解答を閉じる
- 自分の言葉で書き直す
最初から全文を書けない場合は、必要な言葉や根拠を先に確認してから文章にします。
数学なら、答えだけでなく、なぜこの式を使ったのかを説明してもらいます。
国語、理科、社会では、問題文や資料のどこを根拠にしたのかを示してから文章にします。
英作文では、次の点を確認します。
- 主語
- 動詞
- 時制
- 語順
確認したあと、内容を少し変えた文も作ります。
学年別の夏休みの優先内容
中学1年生の小学校内容と1学期基礎の定着
数学では、学校で1学期までに習った範囲を確認します。
- 小数や分数の計算
- 割合
- 正負の数
- 文字式
方程式まで習っている場合は、方程式も確認してください。
正負の数や文字式で苦戦している場合でも、原因が小学校の分数計算や割合にあることがあります。
英語では、次の内容を確認します。
- アルファベット
- 基本単語
- be動詞
- 一般動詞
- 疑問文と否定文
- 英文の語順
中学2年生の中1内容と現在単元のつなぎ直し
数学の一次関数が苦手でも、比例・反比例や方程式で止まっている場合があります。
一次関数をまだ習っていない場合は、1学期までに学習した連立方程式などの範囲を優先してください。
英語では、学校で1学期までに習った範囲から次の内容を確認します。
- be動詞と一般動詞
- 三単現
- 過去形
- 助動詞
- 不定詞
- 接続詞
- 基本単語
中1の内容を最初から全部やり直すのではなく、現在の問題を解くために必要なところまで戻ります。
中学3年生の戻り学習と5教科受験勉強の並行
中学3年生も、基礎に穴があれば戻り学習が必要です。
ただし、夏休みを英語と数学の戻り学習だけで終えることは勧めません。
英語・数学の基礎を補う時間と、国語・理科・社会を含めた5教科の受験勉強を分けて予定へ入れます。
中学3年生の夏休み明け実力テスト対策
中学3年生では、夏休み明けに、高校受験の志望校を考える目安となる実力テストなどを行う学校があります。
テスト範囲が夏休み前に配られている場合は、宿題と一緒に確認してください。
私の塾では、夏休み明けの実力テストを、何も準備せずに受けるテストとは考えていません。
夏休みに学習したうえで、5教科でどのくらい得点できるかを確かめます。
私が指導してきた生徒の中にも、夏休み明けの実力テストで点数を大きく伸ばしたお子さんは何人もいます。
夏休みに入る前に、次の目標点を決めます。
- 5教科合計
- 国語
- 数学
- 英語
- 理科
- 社会
志望校が決まっている場合は、学校や塾の先生へ、
この高校を目指す場合、夏休み明けの実力テストで5教科何点を目標にすればよいですか
と相談してください。合計点だけでなく、各教科の目標点も確認します。
実技4教科の評定が低かった場合
音楽、美術、保健体育、技術・家庭の評定が低かった場合は、定期テストの点数だけでは判断できません。
次の内容を確認します。
- 作品
- 実技
- 提出課題
- 忘れ物
- 授業中の課題
- 先生から伝えられた評価内容
家庭で理由を判断できない場合は、学校の先生へ、
作品、実技、提出課題のうち、2学期に本人が改善できる点はどこでしょうか
と聞いてください。
親は、毎日どこまで見てあげればよいですか?
最初は毎日、始めたかどうかと進み具合だけ確認してください。自分で進められるようになったら、2〜3日に1回、最終的には週1回へ減らします。
お子さんの状態に合わせた保護者確認の減らし方
自分だけでは進められないうちは、毎日、進み方を確認してください。
次の3点を確認します。
- 決めた時刻に始められたか
- 予定していた範囲まで進んだか
- 分からない問題に印を付けたか
毎日すべてのページを細かく調べる必要はありません。
できていたことがあれば、その場で認めてください。
自分で進められるようになってきたら、確認を2~3日に1回へ減らします。
さらに自分で予定を守れるようになったら、週1回の確認で構いません。
通知表を受け取った直後の本人の気持ちの確認
通知表を受け取った直後に、
「どうしてこんな成績だったの」
「もっと勉強しなさい」
と話し続けても、次にすることは決まりません。
最初に、
この通知表を受け取って、自分ではどう思った?
と聞いてください。
本人が落ち込んでいる場合は、その日のうちに夏休みの予定まで決める必要はありません。
まず気持ちを聞き、少し時間を空けてから、通知表と答案を一緒に確認します。
志望校が決まっていない場合は、オープンスクールや学校説明会へ参加する方法もあります。
親から過去の結果ばかり話しても、お子さんは進学後の生活を想像できません。
進学先の情報を集め、本人と一緒に考えてください。
成績が悪かったなら、新しい教材や塾を増やした方がよいですか?
私は、原因が分かる前に教材を増やすことは勧めません。今ある教材で足りるお子さんも多いので、まずは「何が弱いか」を整理してから考えます。
原因確認後の新しい教材の検討
通知表が悪かったからといって、すぐに新しい教材を買う必要はありません。
まず、現在持っている教科書、学校ワーク、基礎問題集、参考書で進められるか確認します。
今ある教材で進められるお子さん
次の内容が分かっている場合は、現在の教材から始めます。
- 苦手な単元
- 戻る場所
- 使う問題集や参考書
- 1日に進める量
- 分からないときに質問する相手
教材を増やすより、同じ基本問題を解き直した方がよい場合もあります。
ここまで決められるなら、次の教材紹介を読む必要はありません。
苦手な単元は分かるが、自分だけでは進めにくいお子さん
苦手な単元が分かっていても、次のような場合があります。
- どの授業を選ぶか決められない
- 予定を立てても続かない
- 学校の進度と復習を組み合わせられない
- 教材の解説だけでは理解できない
この場合は、教材を買うだけでなく、何をどの順番で進めるかまで考えます。
教材や外部の指導を検討する目安
次の状態なら、教材の変更や塾、家庭教師、通信教育を候補に入れます。
- 今の教材が難しすぎる
- 必要な単元まで戻れない
- 解説を読んでも理解できない
- どこまで戻るか判断できない
- 一人では学習を続けられない
一方、原因が提出期限や勉強開始時刻にある場合は、教材を変えても解決しません。
先に、宿題の進め方と週間予定を直してください。
お子さんの状態に合わせた教材選び
苦手な単元が分かっていて、自分で必要な授業を選べる場合は、スタディサプリのような映像授業を使う方法があります。
学校の授業進度や定期テスト対策も含め、毎月取り組む内容をまとめて進めたい場合は、進研ゼミも候補になります。
どの学年のどの単元まで戻ればよいのか分からず、学年を越えて基礎から進めたい場合は、すららのような無学年教材も選択肢に入ります。
ただし、教材名だけで決めないでください。
次の点を確認し、お子さんの状態に合うものを選びます。
- 苦手な単元が分かっているか
- 一人で授業を選べるか
- 学校の進度管理が必要か
- 前の学年まで戻る必要があるか
教材を候補にする場合は、合う条件だけでなく、合わない条件も確認してください。
スタディサプリ
苦手な単元が分かり、必要な映像授業を自分で選び、視聴後の問題演習まで進められるお子さん向けです。
スタディサプリ中学講座の向いているお子さんを確認する進研ゼミ
毎月取り組む内容を決めやすくし、学校の授業や定期テスト対策と合わせて進めたいお子さん向けです。
進研ゼミ中学講座の向いているお子さんを確認するすらら
どの学年のどの単元まで戻るか判断しにくく、学年を越えて基礎から立て直したいお子さん向けです。
すらら中学生コースの向いているお子さんを確認する3教材をまとめて比べる場合は、中学生向け通信教育・家庭学習教材の比較記事で確認できます。
復習後に取り組む2学期最初の単元
基礎に大きな抜けがある場合は、無理に予習まで進める必要はありません。
夏休みの宿題と重点的に復習する単元が予定どおり進んだお子さんは、2学期の最初に習う内容へ進みます。
次のところまでで構いません。
- 教科書の説明を読む
- 基本用語を確認する
- 例題を解く
- 最初の基本問題に取り組む
2学期の授業で、「ああ、これは夏休みに一度やった」と思える状態を目指します。
夏休みの最後に決める2学期の継続課題
夏休みの終わりには、次の内容を確認します。
- 夏休みの宿題がそろっているか
- 最初に解けなかった問題を解けるようになったか
- 重点的に復習した単元を自力で解けるか
- △を付けた問題を解き直したか
- ×を付けた問題を先生へ質問したか
- 2学期も続ける週間予定が決まっているか
まだ止まる単元が残っていても、夏休み中にすべて終わらせる必要はありません。
残った内容は、2学期も続ける課題として予定へ入れます。
まとめ|通知表と答案から決める夏休みの改善課題
1学期の通知表から分かる2学期の改善点。
高校入試では、地域や選抜方法によって評定が使われます。通知表は、2学期から何を変えるかを考える資料にもなります。
通知表を受け取ったら、定期テストの答案と一緒に机へ並べてください。
答案に観点別得点が書かれている場合は、「知識・技能」と「思考・判断・表現」のどちらで点を落としているかを確認します。
通知表では、次の3観点のA・B・Cを確認してください。
- 知識・技能
- 思考・判断・表現
- 主体的に学習に取り組む態度
その結果から、次のどこを変えるのか決めます。
- 暗記や基本問題を復習する
- 記述や応用問題を練習する
- 提出物や普段の勉強方法を変える
夏休みは、次の順番で進めてください。
- 通知表と定期テストの答案を並べる
- 観点別評価と観点別得点を比べる
- 夏休みの宿題の量と提出日を確認する
- 宿題の目次から苦手な単元を探し、★を付ける
- 勉強を始める時刻を決める
- 重点的に直すことを1~2個選ぶ
- 基礎問題集、参考書、教科書、解説動画などで戻り学習をする
- 基礎を確認した単元から、宿題の対応するページを解く
- 夏休みの最後に最初の問題を解き直す
- 残った課題を2学期の予定へ入れる
中学3年生は、夏休み明けの実力テストに向けて、5教科合計と各教科の目標点も決めます。
通知表を受け取って、過去の結果だけを責めても評定は変わりません。
通知表と答案を使って原因を確認し、この夏に重点的に直すことを1~2個決めてください。
