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中学生の内申点は、
テストの点数だけで決まるわけではありません。
「定期テストではそこまで悪くない点数を取っているのに、通知表を見ると思ったより低い」
中学生の保護者の方から、このような相談を受けることがあります。テストでは70点、80点を取っている。本人もテスト前はそれなりに頑張っている。それなのに、通知表は3だったり、思ったより評定が伸びていなかったりする。
テストはそこまで悪くないのに、通知表が思ったより低くて…。先生に嫌われているのでしょうか?
不安になるお気持ちはよく分かります。
ただ、通知表はテストの点数だけではなく、提出物・小テスト・副教科・観点別評価なども含めて見る必要があります。
もちろん、評価の基準や見え方には、保護者側から分かりにくい部分もあります。ただ、学校の成績は基本的に、各教科の評価基準や観点にもとづいてつけられています。
だからこそ、感情的に不満をぶつけるよりも、「次にどこを改善すればよいのか」を前向きに確認することが大切です。
私は、学習塾アイリスを20年以上運営し、中学生の定期テスト結果、順位表、通知表、志望校判定を見てきました。その中で感じるのは、テストの点数は悪くないのに内申点が伸びにくい子には、いくつか共通点があるということです。
まず結論
テストは悪くないのに通知表が低い場合は、提出物・小テスト・副教科・授業中の取り組み・観点別評価のどこかで評価を落としている可能性があります。
まずは5段階評定だけでなく、観点別評価を見て、次に改善する行動を1つ決めることが大切です。
この記事の注意点
通知表や内申点の評価方法は、自治体・学校・年度によって異なる場合があります。この記事では一般的な考え方を紹介していますが、最終的には学校から配布される資料、三者面談での説明、各都道府県の高校入試情報をご確認ください。
この記事でわかること
- 中学生の内申点が、テストの点数だけで決まらない理由
- テストは悪くないのに通知表が低い主な原因
- 提出物や学校ワークで評価されにくいパターン
- 小テストや副教科が内申点に関係する理由
- 発言が少ない子は内申点で不利なのか
- 親がやってはいけない対応
- 通知表を見たあとに家庭でできる具体的な対策
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中学生の内申点が低い理由は、テストの点数だけでは判断できない
中学生の通知表を見るとき、多くの保護者の方は、まず5段階評定、つまり通知表の「5・4・3」などの数字に目が行きます。
たとえば、数学のテストで80点を取っていたのに通知表が3だった場合、「なぜ4ではないの?」「この点数ならもっと評価されてもいいのでは?」と思うかもしれません。
もちろん、定期テストの点数はとても大切です。しかし、通知表や内申点は、テストの点数だけで決まるものではありません。
現在の中学校では、各教科の成績を「観点別評価」という仕組みで見ています。2026年現在、多くの中学校で使われている観点は、主に次の3つです。
知識・技能
基礎的な知識を覚え、使えるか
思考・判断・表現
理解を深め、自分の考えを整理し、表現できるか
主体的に学習に取り組む態度
粘り強く取り組み、自分の学習を調整しようとしているか
通知表に並ぶ「5」「4」「3」といった評定は、このような観点別評価をもとに、教科ごとに総合してつけられます。ここが、保護者の方が見落としやすいポイントです。
定期テストの点数は、主に「知識・技能」や「思考・判断・表現」に関わります。しかし通知表は、それ以外の要素も含めて判断されます。
通知表で見られることがある材料
- 提出物
- 学校ワーク
- 小テスト
- ノート
- プリント
- 授業中の取り組み
- 副教科の課題や作品
だからこそ、「テストは悪くないのに通知表が低い」という、一見ふしぎな状態が起こるのです。
また、内申点は高校入試に影響することがあります。ただし、どの学年の評定がどれくらい使われるか、どの教科がどのように扱われるかは、自治体や志望校によって異なります。推薦入試、特色選抜、一般入試での調査書点など、見られ方は地域によって違います。
そのため、通知表は早めに見方を理解しておくことが大切です。
通知表は、責める材料ではありません
通知表は、子どもを責める材料ではありません。次に何を直せばよいかを見つけるための資料です。
「なぜ低いのか」と感情的に見るよりも、「どの部分を改善すれば次に上がるのか」を親子で整理していきましょう。
テストは悪くないのに通知表が低い主な原因
ここからは、塾の現場で実際に見てきた「テストは悪くないのに通知表が伸びない子」の共通点を、原因別に説明します。
これまで多くの生徒を見てきて感じるのは、こういう子には共通したクセがあるということです。
テストをゲームのように考えて、順位も出るし、頑張る。ところが、ランキングが出ない提出物や小テスト、日々の課題になると、急に意識が下がってしまうことがあります。
定期テストでは力を発揮できるのに、目に見える競争のない部分で取りこぼしている。これが、テストは悪くないのに内申点が伸びにくい子に多いパターンです。
提出物・学校ワークの期限や中身に問題がある
一番多いのが、提出物の質の問題です。内申点が伸びにくい子の提出物には、はっきりした特徴があります。
評価につながりにくい提出物の例
- 提出期限に遅れる
- 答えを写して終わっている
- 丸つけ直しが雑、または直しがない
- 途中式や考えた跡が少ない
- 空欄が残っている
- 間違えた問題をそのままにしている
- ワークは終わっているが、理解につながっていない
ワーク自体は最後まで終わっている。でも、答えを写しただけで、間違えた問題の直しがない。これでは「やった」という事実は残っても、「学んだ」という中身が残りません。
特に学校ワークは、先生が生徒の取り組み方を見る大切な材料です。学校の先生は、生徒の人数分のワークを積み重ねて、順番にチェックしていきます。
何十冊と見ていくその中で、「お、これは頑張ったな」「間違えたところをきちんと直しているな」「考えた跡が残っているな」と思ってもらえるワークになっているかどうかは、とても大切です。
岩澤コーチの声かけ
私も塾では、子どもたちに「先生が見たときに、努力が伝わるワークにしよう」と伝えています。
提出物は、単なる作業ではありません。自分がどこを考え、どこで間違え、どう直したのかを先生に伝えるものでもあります。
熱量が見えない提出物は、残念ながら埋もれてしまいます。
出しているのに評価されにくい提出物になっている
「ちゃんと出しているのに評価が低い」というケースもあります。これは、提出物が「作業」になってしまっているパターンです。
内申点が伸びにくい子は、提出物を「終わらせるもの」と考えていることがあります。もちろん、期限までに出すことは大切です。
しかし、出すことだけが目的になると、「答えを写して終わり」「赤で直して終わり」「空欄を埋めて終わり」「丸つけだけして終わり」になってしまいます。
それでは、先生が見たときに熱量が伝わりません。字が完璧にきれいである必要はありません。大切なのは、自分で考えた跡、間違えた問題を直した跡、理解しようとした跡が残っていることです。
提出物は、出すことだけに意味があるのではありません。取り組んだ姿勢が相手に伝わることに意味があります。
小テスト・単元テスト・プリントで取りこぼしている
定期テストは頑張るのに、普段の小テストを軽く見ている子も多くいます。
軽く見られやすい小テスト・確認テスト
- 英単語テスト
- 漢字テスト
- 計算テスト
- 理科・社会の小テスト
- 授業中の確認テスト
- 単元ごとのプリント
中学生の中には、「小テストは定期テストほど大事ではない」と考えている子がいます。しかし、ここは少し注意が必要です。
小テストや単元テストも、基本的には成績に入ると思っておいた方がよいです。実際、「これは成績に入りますよ」とはっきり伝えてくれる先生もいます。
たとえ明言されていなくても、普段の小テストや確認テストは、日々の理解度を測る材料になります。定期テストでは悪くない点数を取っていても、普段の小テストで取りこぼしが多いと、通知表に影響することがあります。
特に英単語、漢字、計算、理社の用語確認などは、日々の積み重ねが出やすい部分です。
副教科でこっそり評定を落としている
主要5教科は悪くないのに、音楽・美術・技術家庭・保健体育で内申点を落としている。これは、実は成績上位の子にもあるパターンです。
副教科で評定を落としやすい理由
- 副教科を軽く見ている
- テスト勉強をしていない
- 作品やレポートの提出が雑
- 提出物を後回しにしている
- 実技が苦手なまま対策していない
- 9教科が内申書に入ることを知らない
「主要5教科ではないから」「入試には関係ないと思っていた」「実技が苦手だから仕方ない」と考えてしまう子もいます。しかし、地域や入試制度によっては、9教科すべての評定が、調査書、いわゆる内申書に関係することがあります。
主要5教科だけ頑張ればいい、というものではありません。実技が苦手でも、作品やレポート、提出物、テスト勉強への取り組みでできることはあります。
副教科への向き合い方
「この作品が高校入試に影響するとしたら、今のままで出す?」と考えると、作品やレポートへの向き合い方が変わる子もいます。
また、何を勉強すればよいかわからない場合は、先生に聞くのも一つの方法です。「次のテストを頑張りたいです。何を使って、どのように勉強すればよいか教えてもらえませんか」と聞きに行けば、前向きな姿勢として伝わることもありますし、実際にテストの点数アップにもつながります。
聞きに行くこと自体が、一石二鳥なのです。
テストの点数を平均点や問題の難しさと比べて見ていない
最後に、見落とされやすい原因です。保護者の方が「悪くない」と思っている点数でも、学校全体の中では十分とは言えない場合があります。
たとえば、80点を取っていても、その回の平均点が75点なら、それほど大きく抜けているわけではありません。逆に、70点でも平均点が40点なら、かなり良い点数と判断される場合もあります。
テストの点数を見るときは、点数だけでなく、平均点、順位、問題の難度、観点別評価、提出物や小テストの状況をあわせて見ることが大切です。
「80点だから4のはず」「70点だから悪くないはず」と点数だけで判断すると、通知表の原因が見えにくくなります。
中学生の通知表はどこを見るべき?
ここで、通知表を見るときの順番を整理しておきましょう。
通知表には、教科ごとの5段階評定だけでなく、観点別評価が書かれていることがあります。学校や自治体によって形式は異なりますが、ここを見ることが原因発見の近道です。
5段階評定だけを見ない
通知表を見ると、どうしても「3」「4」「5」といった数字に目が行きます。もちろん評定は大切です。ただ、数字だけを見ても、何を改善すればよいのかはわかりません。
数字は結果であって、原因ではないからです。
同じ「3」でも原因は違います
- テストの点数が足りない3
- 提出物が弱い3
- 小テストで落としている3
- 副教科の取り組みが弱い3
- 主体的に学習に取り組む態度が低い3
同じ評定でも、対策はまったく違います。
観点別評価のA・B・Cを見る
観点別評価を見ると、どこで評価を落としているのかの目安になります。実は、ここに原因が表れています。
知識・技能が低いなら、基本事項の理解や暗記、計算、漢字、英単語などに課題があるかもしれません。思考・判断・表現が低いなら、記述問題、説明問題、応用問題、資料の読み取りなどに課題があるかもしれません。
主体的に学習に取り組む態度が低いなら、提出物、授業中の取り組み、振り返り、学習への向き合い方を確認する必要があります。テストはできているのに評定が伸びない子は、「知識・技能」はAでも「主体的に学習に取り組む態度」がBやC、ということがあります。
観点が何を意味するのかを理解しておくと、次の目標も立てやすくなります。
どの教科・どの観点で低いかを見る
そのうえで、教科ごとの差も確認します。
- 数学だけ低いのか
- 英語だけ低いのか
- 主要5教科はよいが副教科が低いのか
- 知識・技能は高いが思考・判断・表現が低いのか
- 全教科で主体的に学習に取り組む態度が低いのか
「全体的に低い」と漠然と捉えるのではなく、「この教科のこの観点」とピンポイントで把握できれば、打つ手が見えてきます。原因を分けて見れば、改善の方向は見えてきます。
「授業態度」で決まると考えすぎない
ここは、保護者の方が特に不安になりやすいところです。内申点の話になると、「授業態度」という言葉がよく出てきます。
多くの保護者の方が不安に感じるこの言葉について、はっきりお伝えしておきます。
すぐに決めつけない方がよいこと
- 授業態度が悪いから低い
- 発言しないから低い
- 先生に嫌われているから低い
このように、単純に決めつけないことが大切です。
発言が少ないだけで内申点が低くなるとは限らない
「うちの子は発言しないから内申が低いのでは」という相談を、よく受けます。しかし、発言の回数だけで評価が決まるわけではありません。
塾から生徒たちを見ていても、おとなしくて発言は少ないけれど提出物が丁寧な子は、通知表にきちんとその頑張りが表れていると感じることがあります。授業中に目立たない子も、提出物やほかのところで見てもらえている場合があります。
質問をしない子も、それだけでマイナスになるとは限りません。発言や質問は、すればプラスになることはあっても、しないこと自体がすぐマイナスになるわけではないのです。
ただし、授業中に考えていることや努力が、ノート・提出物・振り返りなどに何も残っていないと、評価に伝わりにくくなることがあります。先生は、伝わってきたものを評価します。
頑張っていても、その材料が埋もれていれば、届きにくくなります。逆に、わからないところをそのままにする子は要注意です。これは提出物やテストにはっきり表れてしまうので、マイナスにつながりやすい点です。
発言が苦手なら、無理に手を挙げる必要はありません。
発言以外で努力を見える形にする方法
- ノートに考えた跡を残す
- わからないところに印をつける
- 振り返りを丁寧に書く
- 提出物に直しまで入れる
- 授業後に先生へ質問する
授業が終わったあとに、「これってどういうことですか」「次のテスト範囲はどこまでですか」「次に何を勉強すればいいですか」と先生に話しかけに行くことも、前向きな行動です。
「先生に嫌われている」とすぐ決めつけない
通知表が思ったより低いと、保護者として先生に対して不信感を持ってしまうこともあると思います。その気持ちはわかります。
ただ、子どもの前で先生の悪口を言いすぎるのは、おすすめしません。子どもは素直です。親が先生に対して強い不信感を持っていると、子どもも学校で先生と向き合うときに、そのような目で見たり、態度に出てしまったりすることがあります。
それは、子どもの学校生活にとってプラスになりません。大切なのは、先生との関係を悪くすることではなく、次にどうすれば評価が上がるのかを具体的に知ることです。
前向きな聞き方
先生を責めるより、「次に改善するポイントを教えてください」という前向きな相談をする方が、子どものためになります。
内申点が上がった生徒に共通していたこと
ここで、個人が特定されない形で、これまでの指導経験から一つの例を紹介します。
部活動に一生懸命だった中学生の例
以前、部活動に一生懸命取り組んでいた中学生の男の子がいました。サッカー部で、毎日のように部活に打ち込んでいた子です。
テスト勉強も頑張る子でしたが、最初から内申点への意識が高かったわけではありません。しかし、中3になり、高校入試を意識するようになってから、学校の先生に相談し、具体的に何をすればよいかを確認するようになりました。
「通知表は高校入試につながる」「次に何を改善すればよいかを知らないといけない」と意識するようになったのです。
先生に相談し、観点別評価を上げるために必要な行動が見えてくると、提出物や日々の取り組みへの意識も変わりました。その結果、観点評価が改善され、テストの点数にもよい影響が出て、無事に志望校へ合格することができました。
きっかけは、先生に前向きに相談したことです。このようなケースを見ると、内申点はただ悩むだけではなく、原因を分けて、次の行動を具体的にすれば改善できる可能性があると感じます。
大切なのは、「なぜこの成績なんだ」で止まらないことです。「次に何をすればよいか」を本人が理解することです。
2030年度以降、通知表の評価は変わる可能性がある
ここまで、「主体的に学習に取り組む態度」も通知表を見るうえで大切だとお伝えしてきました。一方で、この観点の扱いについては、今後変わる可能性があります。
次期学習指導要領に向けた検討資料では、「主体的に学習に取り組む態度」を現在のように各教科ごとにA・B・Cで評価して評定に反映する形から、教育課程全体を通じた個人内評価、つまり、その子自身の成長や取り組みとして見ていく方向が示されています。
ここで、誤解しないでいただきたい点があります。
「主体的に学習に取り組む態度」はなくなるのか
主体的に学習に取り組む態度そのものが、不要になるわけではありません。なくなるのではなく、扱い方が変わる方向で検討されています。
主体的な態度をA・B・Cの数字で評価することには、難しさがあります。提出物の状況のような形式的な部分に評価が寄ってしまうこともあります。
そのため今後は、主体的な学びの姿勢を、個人内評価や記述、またはほかの観点と一体的に見取る方向で検討されています。学びに向かう姿勢、自分で考える力、粘り強く取り組む力は、これからも変わらず大切です。
「評価」と「評定」は別物
ここで大切なのは、「評価」と「評定」を分けて考えることです。
「評価」と「評定」の違い
| 評価 | 子どもの学びや成長を見取ること |
|---|---|
| 評定 | 通知表の数字に反映される成績 |
| 大切な視点 | 評価されることと、数字に反映されることは同じではありません |
今後の議論は、主体的な学びを見ないということではなく、「評価はするが、5段階評定への反映の仕方を見直す」という方向で進んでいます。
つまり、主体的に学ぶ姿勢が大切でなくなるわけではなく、数字への反映のされ方が変わる、という話です。
今の中学生は、まず現在の通知表を確認することが大切
制度変更の話は重要ですが、これは2030年度以降の次期学習指導要領に向けた話です。今この記事を読んでくださっている保護者のお子さんは、まず現在の通知表や内申点を確認することが大切です。
今後変わる可能性があるからといって、今の通知表を軽く見てよいわけではありません。今の中学生にとっては、これまで説明してきた観点別評価の見方が、引き続き必要な知識になります。
そして、提出物、小テスト、授業への取り組みを大切にするという基本は、制度がどう変わっても無駄になりません。学校から配布される評価資料、三者面談での説明、自治体の高校入試情報を確認していきましょう。
親ができる対応|やってはいけないことと前向きな支え方
ここからは、通知表を見たあとに家庭でどう動けばよいかを整理します。通知表が思ったより低いと、親として不安になるのは当然です。
ただ、そのときの対応を間違えると、子どもが前向きに改善しにくくなることがあります。ここでは、避けたい対応と、家庭でできる前向きなサポートをまとめます。
子どもを責めない
まず避けたいのは、子どもを責めることです。
- なんでこの点数で3なの
- ちゃんとやっていなかったんじゃないの
- もっと発言しなさい
と責めても、原因は見えません。子どもも萎縮してしまいます。通知表が低かったときに大切なのは、責めることではありません。
次に何を改善するかを一緒に考えることです。
子どもの前で先生の悪口を言わない
先生への不満を子どもの前で強く言うことも、注意が必要です。評価に疑問を持つことはあると思います。
しかし、子どもの前で先生の悪口を言い続けると、子どもも先生に対して不信感を持ちやすくなります。その結果、学校での先生との関係が悪くなったり、授業への向き合い方に影響したりすることがあります。
先生への不満がある場合も、子どもの前では冷静に扱うことが大切です。
発言を無理に強要しない
発言が少ないから内申点が低いのではと心配して、「もっと手を挙げなさい」「授業で必ず発言しなさい」と強く言うことがあります。
しかし、性格的に発言が苦手な子もいます。無理に発言を強要すると、それがプレッシャーになり、かえって授業に集中できなくなることもあります。
発言が難しい子は、提出物、ノート、振り返り、授業後の質問など、別の形で努力を見えるようにすればよいのです。
5段階評定だけでなく観点別評価を見る
まずは、5段階評定だけでなく観点別評価を見ましょう。どの教科のどの観点が低いのかを確認します。
- 知識・技能が低いのか
- 思考・判断・表現が低いのか
- 主体的に学習に取り組む態度が低いのか
- 副教科で落としているのか
これによって、次にするべきことが変わります。
次に改善する行動を1つに絞る
通知表を見たあと、あれもこれも直そうとすると、子どもは疲れてしまって動けません。まずは、次に改善する行動を1つに絞りましょう。
次に改善する行動の例
- 提出物を期限内に出す
- ワークの直しを丁寧にする
- 小テスト対策をする
- 副教科の課題を早めに出す
- 授業後に先生へ質問する
- 次のテスト範囲を早めに確認する
小さくても、具体的な行動にすることが大切です。
先生には前向きな聞き方をする
評価について先生に確認するとき、聞き方はとても大切です。
避けたい聞き方
- なぜこの成績なんですか
- 先生の評価がおかしいのでは
- この点数でこの評定は納得できません
これは、先生を問い詰める形になってしまいます。
おすすめの聞き方
- 次回、どこを改善すれば評価につながりますか
- 提出物・小テスト・授業中の取り組みで、特に見直す点はありますか
- 次のテストに向けて、何を使って勉強すればよいですか
前向きに次を相談する姿勢は、先生にも伝わります。そして、できれば保護者からではなく、お子さん自身が聞きに行くことをおすすめします。
自分で課題を聞きに行き、メモを取り、次の成績に向けて意識を高めることは、高校入試に向けた大切な第一歩になります。生徒自身が問題解決に前向きに臨めるようになると、将来役に立つ場面も増えていきます。
基本は見守り、必要なときに手を差し伸べる
中学生は、自分で考え、自分で行動する練習も必要です。ですから、保護者がすべてを管理しすぎるのは、おすすめしません。
基本は見守り、子どもが厳しい状態になったときには手を差し伸べる。このバランスが大切です。
たとえば、子どもが先生に相談しにくい場合は、「こう聞いてみたらどうかな」と一緒に言い方を考えてあげる。それでもうまくいかない場合は、三者面談や二者面談の場で、保護者から前向きに相談する。
このように、子どもが問題解決に向かえるように支えていきましょう。
家庭だけで管理が難しい場合は
ご家庭だけで学習の管理や習慣づくりが難しいと感じる場合は、通信教育や塾といった第三者の力を借りることも一つの選択肢です。
お子さんに合った教材については、家庭学習教材・通信教育の比較記事も参考にしてください。
よくある質問
テストが80点でも通知表が3になることはありますか?
あります。テストの点数だけで通知表が決まるわけではないからです。平均点、問題の難度、提出物、小テスト、授業中の取り組み、観点別評価なども関係します。80点だから必ず4、というわけではありません。
提出物を出していれば内申点は上がりますか?
提出物は大切ですが、出せば必ず上がるというものではありません。期限内に出すことに加えて、中身も大切です。丸つけ直しがあるか、自分で考えた跡があるか、間違いをそのままにしていないかなども見られることがあります。
提出物を一回出さなかっただけで、内申は下がりますか?
一回の未提出だけで評定が大きく下がるとは限りません。ただし、提出物は積み重ねで見られるものです。一回が習慣になってしまうことの方が問題です。出せなかったときは、遅れてでも出すこと。そして、次から期限を守ることが大切です。
発言しない子は内申点で不利ですか?
発言だけで決まるわけではありません。おとなしい子でも、提出物やノート、授業後の質問、振り返りなどで努力が伝わることがあります。発言が苦手な子は、別の形で授業への取り組みを見えるようにすることが大切です。
先生に評価理由を聞いてもいいですか?
聞いてもよいと思います。ただし、聞き方が大切です。「なぜこの成績なんですか」と責めるのではなく、「次回、どこを改善すれば評価につながりますか」と前向きに聞く方がよいです。
2030年度以降は授業態度を気にしなくてよくなりますか?
そうではありません。今後、主体的に学習に取り組む態度の評価方法は見直される方向ですが、学びに向かう姿勢が不要になるわけではありません。また、今の中学生は、まず現在の通知表や内申点を確認することが大切です。制度変更の話と、今の学校での評価は分けて考えましょう。
内申点が低い場合、通信教育や塾は必要ですか?
必ず必要というわけではありません。まずは、通知表の観点別評価、提出物、小テスト、学校ワーク、授業中の取り組みを確認しましょう。そのうえで、家庭だけでは管理が難しい場合や、何を改善すればよいかわからない場合は、塾や通信教育など第三者の力を使うのも一つの方法です。
まとめ
中学生の内申点は、テストの点数だけで決まるわけではありません。テストは悪くないのに通知表が低い場合、その原因はテストの外にあります。
確認したいポイント
- 提出物や学校ワークの期限や中身
- 小テストや単元テスト
- ノートやプリント
- 授業中の取り組み方
- 副教科
- 観点別評価
こうした「ランキングの出ない部分」での日ごろの意識が、観点評価に表れていることがあります。
通知表が思ったより低いと、親として不安になるのは当然です。しかし、そこで子どもを責めたり、先生への不信感だけを強めたりしても、次の成績にはつながりにくくなります。
通知表の見方
通知表は、親子で落ち込むためのものではなく、次に何を整えるかを見つけるためのヒントです。
通知表は、お住まいの自治体や志望校の基準によって扱いは異なりますが、高校入試に影響することがあります。だからこそ、早いうちに原因を分けて、改善していく価値があります。
提出物、小テスト、授業中の取り組み、副教科、観点別評価。一つずつ確認し、次に改善する行動を1つ決めていきましょう。
そして、わからないことがあれば、お子さん自身が先生に前向きに相談することも大切です。
先生への前向きな相談例
「次回、どこを改善すれば評価につながりますか」
このように聞けるようになることは、高校入試に向けても、子どもの成長にとっても、大きな意味を持ちます。
内申点が低くても、原因を分けて見れば、改善できる可能性は十分にあります。点数だけで判断せず、日々の取り組みが観点になることをお子さんと共有し、次の行動を一緒に決めること。
通知表をきっかけに、お子さんが「次はこうしよう」と前を向けたなら、それはとても良い一歩です。ご家庭では、ぜひ笑顔で、その一歩を支えてあげてください。
