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高専は、本人の興味や学び方と学科内容が合えば、大きく成長できる進路です。
ただし、「就職に強そう」「大学受験がなさそうで楽そう」「ゲームを作りたい」「パソコンを勉強したい」だけで選ぶと、入学後にミスマッチが起こることがあります。
高専は、就職と進学のどちらにも道がある進路です。 ただし、進路実績の数字だけでなく、5年間で何を学ぶのか、本人がその分野を学び続けたいと思えるかまで確認する必要があります。
ただし、数字が良いことと、お子さんにその学科が合うことは別問題です。 高専は5年一貫で専門分野を学ぶ進路だからこそ、出願前に「何を学ぶのか」「5年間続けられるのか」を確認しておく必要があります。
高専って就職に強いと聞くのですが、普通高校と何が違うのかよく分からなくて……。うちの子がついていけるのかも不安です。
大学受験がないなら楽そうだし、ゲームを作れそうなら情報系も楽しそう。
普通高校より自由そうなイメージもあります。
興味を持つ入口としては悪くありません。
ただし、高専は“楽な進路”ではありません。数字で見ると魅力のある進路ですが、学科の中身を知らないまま選ぶと、入学後に苦しくなることがあります。
高専の魅力だけで決めず、本人の興味・学び方と学科内容を照らし合わせます
- 就職や進学の実績が良くても、本人の興味や学び方と学科内容が合うかは別問題
- 高専は5年間で専門分野を学ぶ進路。学科の中身を確認してから選ぶ必要がある
- 中1・中2から評定と主要科目を意識しておくことが、選択肢を広げる
この記事では、高専と普通高校の違い、高専を検討するときの確認点、選ぶ前に見直したい状態、実際の合格者3人の共通点、出願前チェックまで、現役塾長の視点で解説します。
高専を考える前に確認したい基本情報
※倍率・入試方式・募集人数・調査書の扱いは、学校・学科・年度によって変わります。必ず志望校の最新の募集要項をご確認ください。
数字は、高専という進路を知るための参考にはなります。
ただし、出願校を決めるときは、志望学科で何を学ぶのか、本人がその分野に興味を持っているか、入試方式や調査書の条件はどうなっているかまで確認してください。
この記事でわかること
- 高専と普通高校の違い
- 高専の基本情報と、数字を見るときの注意点
- 高専を検討するときに確認したい学び方・行動
- 「ゲームを作りたい」「パソコンが好き」だけで情報系を選ぶ注意点
- 岩澤コーチが見てきた高専合格者の共通点
- 中1・中2から評定を意識する理由
- 出願前に親子で確認しておきたいこと
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高専とは?普通高校との違いを最初に確認
高専は、中学校卒業後に進学する5年一貫の高等教育機関です。 一般科目に加えて、機械・電気電子・情報・建設・化学などの専門分野を早い段階から学びます。
普通高校は3年間で幅広く学び、その後に大学・専門学校・就職などを選ぶのが一般的です。 高専は、中学卒業後から専門分野へ進む点が大きく違います。
全国の国公私立高専は58校で、本科卒業後は就職が約6割、進学が約4割とされています。 こうした数字は高専を知る参考になりますが、出願校を決めるときは、志望学科の授業内容と本人の興味を一緒に確認してください。
出願校を決める前に確認すること
- その学科で5年間、何を学ぶのか
- 数学・理科・専門科目にどう取り組むのか
- 推薦・一般など、志望校の入試方式
- 卒業後に就職・専攻科・大学編入など、どの進路があるのか
高専を選ぶ前に確認したい3つのこと
1. 志望学科で何を学ぶのか
同じ高専でも、機械、電気電子、情報、建設・土木・都市環境、化学・生物、商船などで授業内容は変わります。 学校名だけでなく、志望学科のカリキュラムまで確認してください。
2. 入学後の学習を続けられるか
高専では、数学・理科・専門科目・実験・実習・レポートに継続して取り組みます。 入試に受かることだけでなく、入学後の学び方まで想像しておく必要があります。
3. 転科を前提に選んでいないか
転科やコース変更の制度がある学校もありますが、成績・定員・学年・時期などの条件があります。 「合わなければ後で変えればいい」と考えず、出願前に制度を確認してください。
就職に強いことばかり見ていました。学科ごとの授業まで確認した方がいいんですね。
はい。高専は5年間学ぶので、学校名だけではなく、学科で何を学ぶのかまで確認してから出願校を決めてください。
高専を検討するときに確認したい3つのこと
1. 興味のある分野を深く学びたいと思えるか
私が見てきた高専合格者には、興味を持ったことを自分で調べたり、長く取り組んだりする生徒がいました。 高専では普通高校より早い段階から専門分野に入るため、「何となく楽しそう」よりも、「もっと知りたい」「自分で作ってみたい」という気持ちがあるかを確認したいところです。
ゲームやパソコンは好きです。それだけで情報系を選んでもいいですか?
興味を持つ入口としては十分です。ただ、情報系で学ぶ内容はプログラミングだけではありません。学科紹介や授業内容を見て、それでも学びたいと思えるか確認しましょう。
2. 数学・理科を苦手なまま放置していないか
高専受験では、入試方式や学校によって違いはありますが、数学・理科は入学後の専門科目にも関わります。 今の点数だけで判断するのではなく、分からない単元を復習する気持ちがあるかを確認してください。
数学が少し苦手でも、基礎から復習していくなら高専を目指せます。 一方で、「入学すれば何とかなる」と苦手を放置したまま進むと、専門科目に入ったときの負担が大きくなります。
3. 分からないときに質問したり、自分で調べたりできるか
高専では、専門的な内容が早い段階から出てきます。 分からない問題をそのままにせず、先生に質問する、自分で調べる、教科書や資料に戻るといった行動が必要です。
最初から全部できる必要はありません
確認したいのは、分からないときに「分からないまま」にしないことです。 私が指導してきた生徒でも、質問できるようになってから成績が伸びたケースがありました。
高専を決める前に見直したい3つの状態
1. 「楽そうだから高専」が主な理由になっている
「大学受験がなさそう」「就職に強そう」「普通高校より自由そう」というイメージから高専に興味を持つことはあります。 ただ、そのイメージだけで出願校を決めるのは避けたいところです。
高専では、課題・実習・レポート・専門科目に継続して取り組みます。 出願前に、「この分野を学びたい」「この学科の授業を受けたい」と本人が言えるところまで確認してください。
2. 「ゲームが好きだから情報系」だけで決めている
「ゲームを作りたい」「パソコンを勉強したい」「プログラミングに興味がある」という気持ちは、進路を考えるよい入口です。 ただし、情報系ではプログラミング以外にも、数学・論理、ネットワーク、データベース、セキュリティ、AI、課題制作などを学びます。
情報系を考えるなら、ここまで確認
- 志望校の情報系学科で学ぶ科目
- プログラミング以外の授業内容
- 数学や論理的な内容に取り組めそうか
- 卒業後の就職・進学先
3. 提出物や苦手科目を後回しにしている
高専を考えるなら、受験勉強だけでなく、今の学校生活も確認してください。 提出物を後回しにする、テスト前だけ慌てる、苦手科目を放置する状態が続いているなら、まずそこから直します。
特に推薦を考える場合は、調査書や評定の扱いが学校ごとに異なります。 志望校の募集要項を確認し、定期テスト・提出物・授業への取り組みを早めに整えてください。
岩澤コーチが見てきた高専合格者3人に共通した行動
進路実績だけでは、入学後の学習を続けられるかまでは分かりません。 本人が普段どのように勉強し、分からないときにどう行動するかも確認したいところです。
私がこれまで指導した高専合格者の中にも、和歌山高専の電気情報工学科や環境都市工学科を目指した生徒がいました。 個人が特定されないように、少しぼかして紹介します。
中2秋から高専を意識
中1春から通っていた生徒です。 中2秋ごろから高専を意識し、和歌山高専の電気情報工学科を目指しました。
学力は上位で、理科や数学への興味が強く、分からないことも自分で調べながら取り組んでいました。
推薦では届かず、一般で合格
中3春に入塾した生徒です。 和歌山高専の環境都市工学科を志望していました。
環境都市工学科は、建築そのものというより、建設・環境保全・防災・まちづくりなど、社会基盤や地域を支える分野を学ぶ学科です。
最初の学力は中の上くらいでしたが、途中から大きく伸びました。 推薦では届きませんでしたが、一般入試で合格しました。
中1平均から中2以降に上位へ
中1から通っていた生徒です。 中1のころは平均レベルでしたが、中2以降に上位へ伸び、最終的に和歌山高専の電気情報工学科を目指しました。
勉強でもスポーツでも、やり出すと魂を込めるように取り組むところがありました。
3人に共通していたこと
- 興味のあることに長く取り組んでいた
- 理科や数学を避けずに勉強していた
- 分からないことを質問していた
- 必要なことを自分で調べていた
- 受験が近づくと勉強量を増やしていた
- 最後は自分で進路を決めようとしていた
3人を振り返ると、合格前からすべてが整っていたわけではありません。 現場で生徒を見ていると、進路を決める段階で確認したいのは、本人が納得して選び、自分で動けるかどうかだと感じます。
私が見てきた高専合格者は、最初から全員が完璧だったわけではありません。
ただ、3人とも、分からないことを聞く、必要なことを調べる、受験が近づいたら勉強量を増やすという行動がありました。高専を目指すなら、今の学校生活でも同じ行動ができているか確認してみてください。
高専受験で早めに準備すべきこと
倍率は学校・学科・入試方式ごとに確認する
令和7年度の国立高専全体では、志願倍率は1.41倍、学力選抜のみの実質倍率は1.85倍でした。 ただし、この数字だけで志望校の難しさは判断できません。
学校全体か学科別か、推薦を含むか、学力選抜だけかで倍率は変わります。 志望校を決めるときは、学校・学科・入試方式ごとの数字を確認してください。
倍率だけで判断しない
「倍率が低いから簡単」「倍率が高いから無理」と決めつけるのは危険です。 志望校・志望学科・入試方式ごとの数字を確認し、必要な受験科目と勉強量を決めてください。
1.41倍と聞くと、思ったより低く感じます。これならそこまで難しくないと考えてもいいのでしょうか?
そこは注意が必要です。倍率は、学校全体なのか、学科別なのか、推薦込みなのか、学力選抜のみなのかで意味が変わります。
「数字が低いから簡単」と決めず、志望校・志望学科・入試方式ごとに確認してください。
中1・中2から評定を意識する
高専を少しでも考えているなら、中1・中2から評定も確認しておきます。
推薦選抜や学力選抜で調査書を使う学校は多く、扱いは学校ごとに異なります。 特に推薦を考える場合は、中3になってから慌てないよう、中1・中2のうちから定期テスト、提出物、授業への取り組みを整えておきます。
中3になってからでは、選択肢が狭くなることがあります
「中3になってから頑張ればいい」と考えていると、推薦の可能性や評定面で後悔することがあります。 高専を少しでも考えているなら、早めに学校の成績と提出物を整えておきましょう。
中3から本気を出せば間に合うと思っていました。中1・中2の成績も大事なんですね。
中3から伸びて合格する生徒もいます。ただし、推薦や調査書を考えると、中1・中2から準備していた方が選択肢は広がります。
高専を少しでも考えているなら、定期テスト、提出物、授業態度を早めに整えておきましょう。
英語・数学・理科は早めに苦手を確認する
高専受験では、入試方式や学校によって科目は異なります。英語・数学・理科は、志望校の配点と今の得点を早めに確認してください。 数学は入試だけでなく入学後の専門科目にも関わります。 英語も、受験科目としてだけでなく、将来の進学や技術分野で必要になる場面があります。
推薦なら作文練習も早めにする
推薦入試で作文がある場合は、事前にしっかり練習しておく必要があります。 なぜ高専を志望するのか、その学科で何を学びたいのか、将来どうつなげたいのかを、自分の言葉で伝える必要があります。
できれば、国語の先生や信頼できる先生に添削してもらうとよいです。 私の生徒にも、作文練習をして、国語の先生に見てもらっていた子がいました。
一般入試なら受験科目と過去問を確認する
一般入試を受ける場合は、まず志望校の受験科目を確認しましょう。 4科目なのか、5科目なのか。配点はどうなっているのか。過去問はどのような出題傾向なのか。 まずは学校ワークで解けない単元を復習し、そのうえで過去問に進みます。
普通高校と高専で迷ったときの判断基準
高専って、ただ就職に強い学校というだけではないんですね。
数字は魅力的だけど、学科の中身まで見ないといけない理由が分かってきました。
ゲームとかパソコンのイメージだけで決めるんじゃなくて、
どの学科で何を勉強するのかをちゃんと見た方がよさそうですね。
本人が納得しているか
高専は、親が良いと思うだけでは続きません。 通うのは本人です。本人が5年間その学科で学びたいと思えるかを確認してください。
学科で何を学ぶか
電気情報、情報、環境都市、機械、化学などでは、学ぶ科目も将来の方向性も変わります。 特に環境都市工学科は、建築だけではなく、建設・環境保全・防災・まちづくりなども関係します。
将来とつながるか
就職だけでなく、大学編入・専攻科・大学院進学などの道もあります。 高専は就職だけで終わる進路ではありません。
普通高校は「進路を後で考える余地」が大きい
普通高校は、3年間で幅広く学びながら、大学・専門学校・就職などを考えていく進路です。 まだ文理や将来の方向が決まっていない段階なら、普通高校で3年間学びながら進路を考える方法もあります。
高専は「早く専門へ進む」進路
一方で高専は、中学卒業後に早く専門分野へ進む進路です。 ものづくり、電気、情報、建設・土木・都市環境、化学、ロボットなどに強い興味があり、その分野を早く学びたいなら、高専は有力な選択肢になります。
「高専の方が上」「普通高校の方が安全」と決めるのではなく、 本人がどちらの学び方を続けたいと思えるかを親子で確認してください。
普通高校も含めて進路全体から考えたい場合
高専だけでなく、普通科・専門学科・総合学科、公立・私立まで含めて進路を比べたい場合は、高校選びの記事で判断基準を整理しています。
高専選びで後悔しないために、出願前に確認したいこと
高専を目指す前に、最低限確認しておきたいことがあります。 特に、数字は「何の数字か」を必ず確認してください。
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 高専と普通高校の違い | 3年制ではなく、5年一貫の専門教育であること |
| 志望学科の内容 | 何を学ぶのか、将来どんな分野につながるのか |
| 入試方式 | 推薦・一般・体験実習型など、学校ごとの方式 |
| 評定・調査書 | 推薦や学力選抜でどう扱われるか |
| 受験科目と配点 | 4科目か5科目か、数学・理科の比重はどうか |
| 倍率 | 学校全体か、学科別か、推薦込みか、学力選抜のみか |
| 学科変更・転科 | 制度の有無、条件、学年、定員、成績条件 |
| 卒業後の進路 | 就職だけでなく、進学・専攻科・大学編入も確認する |
この表は、出願前に親子で一度確認してほしい項目です。
高専受験では、学校名や倍率だけで判断せず、志望学科の中身、入試方式、調査書の扱い、学科変更の条件まで確認しておくと、入学後に「思っていた内容と違った」と感じる可能性を下げられます。
高専選びで怖いのは、受験に落ちることだけではありません
本当に怖いのは、合格したあとに 「思っていた勉強と違った」 「この学科でよかったのかな」 「普通高校にしておけばよかったのかも」 と感じてしまうことです。
高専は5年一貫で専門分野を学ぶ進路です。 転科やコース変更の制度がある学校もありますが、成績や定員、学校ごとの条件があり、簡単に変えられるとは限りません。
出願前に、本人の興味、学科の中身、今の学力、評定、入試方式、倍率の中身を一度確認しておきます。
迷う場合は、まずこの記事内の 「高専を検討するときに確認したい3つのこと」 と 「高専を決める前に見直したい3つの状態」 を親子で確認してみてください。
高専が合うか確認する →参考にしたい公式情報
高専の制度や学科、入試方式は学校ごとに異なります。 この記事を読んで高専が気になった場合は、必ず公式情報も確認してください。
- 文部科学省|高等専門学校(高専)について
- 国立高等専門学校機構
- 和歌山工業高等専門学校
- 和歌山高専|学科紹介(※環境都市工学科・電気情報工学科の詳細はこちらから確認してください)
※募集要項、推薦条件、受験科目、転科・コース変更、進学実績、倍率などは年度によって変わる可能性があります。必ず志望校の最新情報をご確認ください。
まとめ|高専を選ぶ前に、学科の中身と本人の学び方を確認しよう
高専は、中学卒業後から専門分野を早く学べる進路です。
- 高専は中学卒業後から5年間、一般科目と専門科目を学ぶ
- 本科卒業後は就職だけでなく、専攻科や大学編入などの進学もある
- 学ぶ内容は学科によって大きく異なる
- 入試方式・調査書・倍率は学校や学科ごとに確認する
高専には、専門分野を早く学び、就職や進学へ進めるという特徴があります。
ただし、数字が良いからといって、全員に合うわけではありません。 高専は、普通高校とは違い、5年間で専門分野を学ぶ進路です。 学科によって学ぶ内容も、将来の方向も、必要な力も変わります。
イメージだけで決める前に確認しましょう
「就職に強そう」「大学受験がなさそうで楽そう」「ゲームを作りたいから情報系」「パソコンを触れそうだから楽しそう」
こうしたイメージだけで決めるのではなく、出願前に、公式情報で学科の中身・入試方式・卒業後の進路を確認してください。
高専は就職に強いという点ばかり見ていました。
でも、学科の中身や5年間学び続けられるかまで確認しないといけないんですね。
なんとなく高専、ではなくて、自分が何を勉強したいのかを考えてから決めたいです。
その考え方で進めてください。
学校や学科の数字だけで決めず、本人が何を学びたいのか、5年間その学びを続けたいと思えるかまで確認します。
募集要項や学校説明会の情報も見ながら、親子で出願先を絞っていきましょう。
数字、制度、学科の中身、本人の気持ちを順番に確認すれば、ただ不安になるだけではなく、親子で話し合えそうです。
迷っているなら、まず高専という学び方が本人に合うか確認してください
高専を検討しているけれど、本人に合うのか、志望学科の中身を親子でどう確認すればよいのか迷うことがあります。 いきなり出願校を決めず、本人の興味、学科の中身、今の学力、評定、入試方式を順番に確認してください。
※最終判断をする前に、志望校の募集要項・学校説明会・公式情報も必ず確認してください。
