中学生が授業についていけないときは、
「やる気がない」と決める前に、どこでつまずいているかを確かめることから始めます。
「最近、授業についていけていないみたい」
「テストの点数が下がる一方で、もう取り戻せないかもしれない」
「うちの子だけ取り残されているような気がする」
中学生のお子さんを持つ保護者から、同じ悩みをよくお聞きします。
焦りや不安、後悔が重なり、夜まで考え続けてしまう保護者もいます。
授業についていけていないみたいで…。今からでも取り戻せるのでしょうか?
今から立て直すには、まず「どこでつまずいているか」を見つけます。遅れの段階によって、戻り方は変わります。
最初にお伝えしたいのは、お子さんも保護者も、自分を責める必要はないという点です。
授業についていけない状態でも、原因を見つけ、順番を決めて取り組む方法はあります。
私は教育業に携わって27年、和歌山県新宮市で学習塾アイリスを20年以上運営している岩澤です。
これまで、授業についていけなくなった中学生を数多く見てきました。中には、数学が30点前後だった生徒が、次の定期テストで90点台後半まで伸び、その後も高得点を維持した事例もあります。
焦って教材を増やす前に、取り組む順番を決めてください。
この記事でわかること
- 中学生が授業についていけなくなる原因
- 軽度・中度・重度の遅れの見分け方
- 勉強の遅れを取り戻すまでの時間の目安
- 数学・英語・理科・社会・国語のつまずき箇所
- 全教科ついていけないときの立て直し方
- 実際に成績を大きく伸ばした生徒の例
- 保護者がやってはいけないNG対応
- 塾・通信教育・家庭教師を使う判断基準
最初に確認
授業についていけないときに最初に確認するのは、やる気ではありません。
確認するのは、どの教科の、どの単元で、どの程度つまずいているかです。
「勉強が苦手」とひとまとめにせず、つまずいている箇所を整理すると、必要な対策が見えてきます。
授業についていけない原因別の関連ページ
前の学年まで戻る必要がある場合、映像授業で聞き直したい場合、通信教育が続くか不安な場合は、下の記事もあわせて読むと、必要な支援を選ぶ材料になります。
結論|授業についていけないときは「どこでつまずいたか」を確認する
中学生が授業についていけないとき、最初に確認するのは「やる気があるかどうか」ではありません。確認するのは、どこでつまずいているかです。
英語の場合
単語、語順、be動詞・一般動詞、三単現、長文読解など、つまずいている箇所を確認します。
数学の場合
正負の数、文字式、方程式、関数、図形など、戻るべき単元を確認します。
最初に確認するもの
学校ワーク、定期テスト、授業ノート、プリントは、つまずいている箇所を特定する手がかりになります。
塾で相談を受ける生徒の中には、自分でも「わからない」「できていない」と感じているものの、どこからわからないのか、何をすれば戻れるのかを整理できていない生徒がいます。
その状態で「もっと勉強しなさい」と言われても、何から手をつけるのかを決められません。
最初にすること
授業についていけないときは、まず責めずに、つまずいている箇所を一緒に見つけてください。
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「勉強しているのに点数につながらない」「やり方そのものを見直したい」という場合は、次の記事も参考になります。
まず確認|授業についていけないときに確認する5項目
子どもが授業についていけていないと感じたとき、問題集を買ったり、塾や家庭教師を探したりする前に、まず確認する項目があります。
最初に確認する5項目
- 学校ワークの基本問題で手が進まなくなっていないか
- テストでどの単元を落としているか
- 授業ノートやプリントが取れているか
- 軽度・中度・重度のどの段階か
- 今の単元を優先するか、前の単元に戻るか
最初に確認するのは、学校ワークとテストです。学校ワークの基本問題で手が進まないなら、今の単元そのもの、またはその前の単元に抜けがある可能性があります。
一方で、基本問題はできていて応用問題だけで失点しているなら、基本問題の解き方と例題を確認したうえで、同じ形式の問題を練習します。また、ノートやプリントを確認すると、授業中にどれくらい内容を追えているかもわかります。
「勉強が苦手」とひとまとめにせず、どこでつまずいているのかを具体的に確認しましょう。
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学校ワークが終わらない、テスト前に何をすればよいかわからない場合は、次の記事も参考にしてください。
授業についていけない状態を「遅れている段階別」に確認する
「授業についていけない」といっても、状態は一人ひとり違います。少し補えば戻れる子もいれば、前の学年まで戻る必要がある子もいます。
そこでまずは、次の図でお子さんの状態を大まかに確認してみてください。
すべてを同じように扱うと、対策を間違えます。塾の現場では、私は大きく次の3段階に分けて確認しています。
| 段階 | 学習の状態 | 答案・ワークの様子 | 立て直し方 |
|---|---|---|---|
| 軽度 | 基本問題はおおむね解けるが、特定の単元や応用問題でつまずく | 誤答が特定の単元・問題形式に集中している | つまずきが一単元に限られていれば、数時間〜数日で補えることもある |
| 中度 | 基本問題でも手順に迷い、前単元の積み残しがある | 基本問題の誤答や空欄が複数の単元に広がっている | 数週間かけて、今の単元と必要な前の単元を補う |
| 重度 | 基本問題の解き方が分からず、学校ワークの最初から手が進まない | 基本問題の空欄が多く、同じ状態が複数教科・複数単元で続いている | 個別授業など、本人に合わせたサポートを検討する |
※本記事の「軽度・中度・重度」は、学習の遅れを整理するために岩澤が指導上用いている目安です。診断名や学校・行政の正式区分ではありません。点数の見方も、学校の平均点や問題構成によって変わります。
点数は補助情報として使う
点数の意味は、学校・学年・問題構成によって変わります。点数だけで段階を決めず、基本問題の正答状況、途中式、空欄になった問題、誤答が一単元に集中しているかまで確認してください。
軽度|基本問題に少し抜けがある状態
軽度の状態では、今の単元がまったくわからないわけではありません。基本問題の一部に抜けがある、または基本はできるけれど、少し応用になると解き方が分からなくなる状態です。
たとえば、数学で基本的な計算はできるけれど、文章題になると式が立てられない。英語で単語はある程度覚えているけれど、文法問題になると迷う。こうした状態です。
つまずきが一つの単元に限られ、前提となる基礎が残っていれば、数時間〜数日の補習で授業へ合流できることもあります。受験については、地域の入試制度、内申点、現在の学力、志望校までの差で判断が変わります。新宮地域で指導してきた範囲では、基礎の抜けが軽く、志望校との差が大きくなければ、中3の夏から立て直した例もあります。
ただし、それは「今の単元の遅れが軽度であること」「基礎を放置しすぎていないこと」が前提です。
中度|基本問題でもたびたび難しく感じる状態
中度になると、基本問題でもたびたび難しく感じるようになります。まったくわからないわけではないけれど、問題を解いていると何度も手が動かなくなる。解説を読めば何となくわかるけれど、自分では解き切れない。こうした状態です。
この場合、今の単元だけを勉強しても、なかなか点数が伸びません。なぜなら、今の単元を理解するために必要な前の単元が抜けていることが多いからです。
立て直しに必要な期間は原因によります。現在の単元に必要な前単元の復習を含め、数週間で次のテスト範囲を仕上げられることもあります。ただし、これは「次の定期テストで点数を取る」という範囲の立て直しです。
受験勉強となると話は別です。中3の1学期から頑張り始めても、中1・中2の内容に穴がある場合は、その穴を埋める時間が必要になります。どの志望校を目指すのか、今どの学年なのか、どの教科がどれくらい遅れているのかによって、受験勉強に入る時期や進め方を相談する必要があります。
前の学年まで戻る必要がある場合、今の学年の教材だけでは苦しくなることもあります。その場合は、学年に関係なく必要な単元まで戻れる教材や、個別にサポートを受けられる環境を検討するのも一つの方法です。
戻り学習を考える場合
前の学年や前の単元まで戻る必要がある場合は、無学年式の教材とほかの家庭学習教材を比較してください。
重度|基本問題にも戸惑うレベル
重度の場合は、基本問題にも戸惑います。学校ワークを確認しても、最初の基本問題から手が動かない。授業を聞いても、何を説明されているのかわからない。基本問題の空欄が多い状態が、複数教科・複数単元で続いています。
この場合は、今の単元だけを補習しても、すぐに戻るのは難しいこともあります。理由はさまざまです。これまでの学習内容そのものの理解が抜けている場合もありますし、学ぶ力はあっても気持ちが勉強へ向かない場合もあります。学習上の困難が背景にある場合もあります。
重度の場合は、個別授業など、本人の状態に合わせた支援を検討してください。立て直しに必要な時間は、生徒によって大きく違います。数週間で変化が見える子もいれば、数か月単位で少しずつ積み上げる必要がある子もいます。
遠回りに見えても戻る
無理に一気に戻そうとせず、理解できる位置まで戻ります。わからないところまで戻るのは遠回りに見えるかもしれませんが、土台が抜けたまま先に進んでも、また同じ箇所でつまずきます。
あなたのお子さんはどの段階?
簡単なチェックリストで確認してみましょう。
軽度のサイン
- 基本問題はおおむね解ける
- 苦手単元と得意単元が分かれている
- 誤答が特定の単元や問題形式に集中している
- 応用問題や文章題で手が進まない
中度のサイン
- 基本問題の誤答や空欄が複数の単元にある
- 「わからない」と言う回数が増えている
- 解説後も、自力で同じ問題を解き直せない
- 前の単元からの積み残しがありそう
重度のサイン
- 基本問題の空欄が多い状態が複数教科で続いている
- 教科書を開いても何から始めればよいかわからない
- 学校ワークの最初の問題から手が動かない
- 勉強そのものを避けるようになっている
お子さんがどの段階にいるかを把握すると、これから何をすればよいかが見えてきます。
取り戻すまでにかかる時間の目安
「いつから始めれば間に合うのか」「うちの子は今からでも取り戻せるのか」。これは、保護者からよく聞かれる質問です。
まずは下の図で、遅れている段階ごとの時間目安を確認してみてください。
20年以上の指導経験から、段階別の目安をお伝えします。ここで示す期間は、主に現在のテスト範囲や一部の単元を補う目安であり、過去の全範囲を学び直す期間ではありません。
軽度の場合
一つの単元なら、数時間〜数日で補えることもある
つまずいているところがはっきりしているので、そこを集中的に補強します。
中度の場合
数週間で次のテストに間に合うこともある
今の単元と、必要な前の単元をあわせて補う必要があります。
重度の場合
生徒によって大きく異なる
本人に合わせた個別サポートや、数か月単位の立て直しが必要なこともあります。
軽度の場合|一つの単元なら数時間〜数日で補えることもある
軽度の場合、つまずきが一つの単元に限られ、前提となる基礎が残っていれば、数時間〜数日の補習で不足部分を補えることもあります。
テスト範囲が限られている場合は、2〜3週間前から基礎問題へ絞って取り組み、次の定期テストに備えます。
中度の場合|数週間で次のテストに間に合うこともある
中度の場合、数週間あれば次のテストで点数を取れる状態まで持っていけることもあります。ただし、これは「今の単元のテストで点を取る」という意味です。
中1・中2の積み残しがある場合、受験勉強としてはそこを埋める時間が別途必要です。中3の1学期から熱を入れて頑張った場合でも、1・2年生の学習に穴があると、そこを埋めるのに時間がかかります。志望校によって、いつから受験勉強に入るかを相談する必要があります。
重度の場合|生徒によって大きく異なる
重度の場合は、立て直しに必要な時間が生徒によって大きく異なります。理由は、原因がひとつではないからです。
重度の場合に考えられる背景
- 学習内容そのものの理解不足
- 学習への意欲が下がっている
- 質問できない環境
- その他の学習上の困難
これらを丁寧にほどいていく必要があります。数週間で変化が出る子もいますが、場合によっては数か月単位、あるいはそれ以上の時間をかけて取り組む必要もあります。そのため、気づいた段階で動き始めてください。
気づいた学年のうちに着手する
学習の遅れは、気づいた学年のうちに着手するほど、復習範囲を絞れます。次の学年まで待つ必要はありません。
- 中1で遅れに気づいたら、中1のうちか中2になる前に整理する
- 中2で遅れに気づいたら、中3になる前を一つの区切りにする
- 中3では、時期にかかわらず気づいた時点で優先順位を決める
「いつかやる」ではなく、気づいたその日から動き出すことが、解決への近道になります。
中学生が授業についていけなくなる7つの原因
なぜ、中学生は授業についていけなくなるのでしょうか。塾の現場で20年以上見てきた中で、よくある原因は次の7つです。
原因1|勉強のやり方を知らない
塾の現場でよく確認する原因の一つです。授業についていけない中学生の中には、「勉強=大変な暗記」だと考えている生徒がいます。
教科書を眺める。ノートを見直す。英単語をひたすら書く。社会の用語をただ眺める。でも、これらは「やった気になる勉強」になってしまうこともあります。
勉強は、わからないものを、わかるようにする作業です。暗記や書き写しだけで終わると、問題を解く力へ結びつかず、「ついていけない」状態が積み重なります。
勉強のやり方から見直したい方へ
勉強時間はあるのに点数が伸びない場合は、勉強量よりも「やり方」を見直す必要があります。
原因2|前の単元・前の学年の積み残し
特に数学と英語は、積み重ね科目です。
- 中1の方程式が曖昧だと、中2の連立方程式でつまずく
- be動詞・一般動詞のルールが曖昧だと、中2以降の文法理解に影響する
- 小学校の分数・割合が曖昧だと、中学校の数学全般で苦しくなる
ひとつ前の単元のつまずきが、次の単元の「わからない」を生み、それが雪だるま式に積み重なっていくのです。
原因3|授業のスピードが小学校より速い
中学校に入ると、授業のスピードは小学校より速くなります。1単元にかける時間は短くなり、先生はクラス全体のペースで進めます。
小学校までは何となくついていけていた子でも、中学校に入ってから一気に置いていかれることもあります。特に、部活や学校行事で復習時間が取れない子は、気づいたときにはわからない単元が増えていることもあります。
原因4|部活・習い事で時間が足りない
中学生は本当に忙しいです。部活、習い事、塾、生徒会、委員会、家庭の用事。物理的に勉強時間を確保できないケースもあります。
これは怠けではなく、時間設計の問題です。「時間があるときに勉強する」ではなく、短くてもよいので、勉強する時間を生活の中に固定する必要があります。
原因5|「わからない」を質問できない
塾では、人前で「わからない」と言えず、質問を控える中学生もいます。
- 先生に聞くのが恥ずかしい
- 友達の前で「わからない」と言いたくない
- 親に聞いたら怒られそう
- 何がわからないのか自分でもわからない
こうした理由で、わからないところを放置してしまいます。そして、わからないことが積み重なると、ますます質問できなくなります。
原因6|先生の教え方・授業の進み方が合わない
保護者が確認したいのが、先生の説明方法や授業の進み方です。説明の速さ、板書のスタイル、授業のテンポなどが、お子さんの理解の仕方と合わないこともあります。
その場合、学校の授業だけで理解しようとするのではなく、別の説明を聞くことで理解できることもあります。塾、通信教育の動画、映像授業などを使うのも一つの方法です。
原因7|気持ちがマイナスに引っ張られている
点数が下がり続けると、自信を失い、勉強へ向かう気持ちまで下がる中学生もいます。
「自分はもうダメだ」「やってもどうせ無理だ」「みんなより遅れている」「勉強しても点数が上がらない」。こう思ってしまうと、勉強そのものを避けるようになります。
ここから抜け出すには、できているところを見つけ、言葉にして伝える関わりが必要です。
全教科ついていけないときの教科別の立て直し方
「全教科ついていけない」状態になった子に、どの教科から手をつけるべきか。これは、指導の中でも結果を左右する判断です。
基本セオリーは「わかるところまで戻る」
学習の基本は、わかるところまで戻ってやり直すことです。
ただし、このセオリー通りにやると、今のテスト範囲の点数の伸びがすぐには表れないこともあります。子どもは、頑張っているのに点数が上がらないと、「こんなに勉強しているのに、また点数が上がらない」「やっぱり自分には無理だ」と感じてしまうこともあります。
頑張っても結果が表れない期間が続くと、学習内容が合っていても、取り組みを続けられなくなる生徒がいます。
数学から手をつけることが多い理由
全教科に自信をなくしている子の場合、私は数学から手をつけることが多いです。理由は、次のテスト範囲の基礎を固めることで、比較的早く点数の変化が表れる場合もあるからです。
数学から始めるときの考え方
- 次のテスト範囲の基礎を徹底的に固める
- 余裕があれば、応用にも足を伸ばす
- 途中で出てくる前単元の積み残しは、その都度確認する
- 目標は、今の単元のテストで点数を上げること
点数が上がった経験は、「自分にもできる」と感じるきっかけになります。その感覚が、ほかの教科へ取り組む後押しにもなります。
ただし、これはあくまで現場でよく使う一つの方法です。英語だけ極端に遅れている場合や、入試までの期間、志望校によって進め方は変わります。
「遠回りに見えても戻る」を捨てるわけではない
数学から点数を取りにいくといっても、さかのぼり学習を否定しているわけではありません。むしろ、さかのぼり学習は欠かせません。
ただ、いきなりすべての単元を最初から戻ろうとすると、次のテストで結果がすぐには表れないこともあります。
現場で意識している流れ
- まずは今の単元で点を取る
- その中で必要な前の単元に戻る
- 点数が上がったら、その自信を使って本格的に苦手を埋めていく
この流れが、現場ではうまくいくことが多いです。
5教科へ取り組む順番
一般的な目安としては、次のように考えることが多いです。
- 数学:次のテストで点数を伸ばし、自信をつける
- 英語:時間はかかるが、ルール理解から地道に積み上げる
- 理科:今の単元を動画や教科書で理屈から理解する
- 社会:理屈を理解し、口で言えるまで反復する
- 国語:授業の聞き方、ノート、プリントを見直す
ただし、これは一律の正解ではありません。お子さんの得意・不得意、現在の点数、目標とする高校、入試までの期間によって、適切な進め方は変わります。
関連記事
全教科の優先順位や、テスト勉強を始める時期に迷う場合は、次の記事も参考にしてください。
教科別|よくあるつまずきと取り戻し方
ここからは、各教科でよくあるつまずきと、取り戻すための具体的な考え方を解説します。5教科それぞれで、つまずきが多い場所は違います。
まずは下の図で全体像を確認してから、教科別の内容へ進みましょう。
数学|関数・図形の証明で解き方が分からなくなる
塾でつまずきをよく確認する単元が、関数と図形の証明です。関数は、式・表・グラフを行き来する力が必要です。図形の証明は、「なぜそう言えるのか」を順序立てて説明する力が必要です。
どちらも、丸暗記だけでは対応が難しい単元です。数学では、まず次のテスト範囲の基礎を徹底します。教科書の例題、学校ワークの基本問題を、解き方の手順がすらすら出るレベルまで固めます。
その中で、前の単元の穴が見つかったら、必要なところだけ戻ります。
数学で戻る例
- 連立方程式が解けないなら、方程式の解き方を確認する
- 関数の式が立てられないなら、比例・反比例に戻る
- 図形の角度問題で詰まるなら、平行線と角の関係に戻る
基礎が固まったら、応用問題にも挑戦します。ただし、最初から応用ばかりやる必要はありません。基礎を確実にしてから応用に進む方が、結果的に近道になることが多いです。
英語|語順・be動詞・一般動詞から整える
塾で確認する英語のつまずきには、語順や文法ルールの理解不足があります。
- 主語+動詞+目的語という英語特有の語順
- be動詞と一般動詞の使い分け
- 否定文・疑問文の作り方
- 文の区切りがわからない
- どこまでが主語かわからない
ここが曖昧なまま単語と熟語の暗記だけを続けると、初めて読む英文を文法に沿って解く力へ結びつきません。
英語の遅れを取り戻すとき、最初に確認したいのは、語順と文のルールです。私はまず、文中の語句の区切れにスラッシュを入れること、英語特有の語順を理解することから始めます。その次に、be動詞と一般動詞のルールをしっかり訓練します。
英語で最初に確認したいこと
- be動詞の使い方
- 一般動詞の使い方
- 否定文・疑問文の作り方
- 三人称単数のルール
ここを飛ばして問題演習に入ると、答えの丸暗記に頼り、初めて出る問題へ対応しにくくなります。
英語のルールが身についてくると、生徒の口から「英語って、なんか数学に似てるな」という言葉が出ることもあります。
これは、何人もの生徒が実際に口にしてきた言葉です。数学の解き方は手順です。英語も、文法のルールに沿って単語を並べる、手順のある科目です。
この感覚がつかめると、あとは文法のルールを少しずつ増やしていけばよいのです。単語暗記は、中学英語の基礎単語と、今のテスト範囲の単語を優先して覚えましょう。
理科|「説明できる」まで理屈を理解する
理科で多いのは、「難しい」と言って後回しにするパターンです。理科は、暗記だけでなく、理屈の理解が必要です。
教科書、授業ノート、解説動画などを使って、「なるほど、そういうことか」と思える状態を目指します。理解できたと思ったら、自分の口で説明してみましょう。
家族に説明してもよいですし、一人で声に出して説明しても構いません。説明しようとして言葉に詰まる箇所は、理解を再確認する目印です。
理屈を確認してから、学校ワークや問題演習に入ります。答えだけを覚える進め方では、応用問題で理由を説明しにくくなります。
社会|理由を理解して、口で言えるまで反復する
社会は暗記科目と思われがちですが、理由や因果関係の理解も欠かせません。用語を覚えるだけでは、記述問題への対応が難しくなります。
「なぜその出来事が起きたのか」「どうしてその制度ができたのか」「その結果、何が変わったのか」。理由や背景まで結びつけて覚えてください。
そのうえで、用語や覚える語句を口で言えるように練習します。すべてを何度も書くより、まずは問題を読んで口で答える。すぐに口から出なかったもの、間違えたものだけを書いて練習する。この方が、時間と体力の負担を抑えられます。
記述問題では、理由を説明する力が必要です。普段から「なぜ?」「どうして?」と考える習慣をつけましょう。
国語|授業ノート・先生の説明・プリントを見直す
国語は、「どう勉強したらいいですか」と聞かれることが多い教科です。数学や英語、理科、社会は、ワークや問題集を中心に進められます。しかし、国語は少し違います。
国語の定期テストでは、授業ノートや学校独自のプリントが、出題範囲や先生が強調した内容を確認する材料になります。ワークだけを何周しても、授業内容を押さえていなければ点数へ結びつかないこともあります。
まず授業をよく聞き、先生が強調した内容を残します。
国語のノートで確認する項目
- 先生が口頭で話した要点
- 漢字の読みや意味
- 文章を解釈する要点
- テストに出そうと言われた内容
テスト勉強では、ノートをきれいにまとめ直すより、ノートの内容からクイズを作って覚える方が効率的です。そのうえで、ワークやプリントに取り組みます。
学習塾アイリスで実際にあった「取り戻した」事例
ここでは、個人が特定されない形で、実際に大きく変化した生徒の例を紹介します。もちろん、立て直しに必要な期間や伸び方は生徒によって違います。ここで紹介するのは、あくまで一例です。
どこでつまずいているかを見つけ、取り組む順番を決めたことで、大きく変わった生徒もいます。
事例1|A君:数学30点前後から、98点・100点まで伸びた例
A君は、中3の4月に入塾しました。中2までは数学が苦手で、定期テストでは30点前後でした。高校受験を控えて焦りもありましたが、まず取り組んだのは、次のテスト範囲の基礎を徹底することです。
必要なところでは前の単元にも戻りながら、今の単元で点数を取れるように進めました。
| 時期 | 数学の点数 |
|---|---|
| 中3・5月定期テスト | 98点 |
| 中3・7月定期テスト | 100点 |
| 中3・10月定期テスト | 100点 |
| 中3・12月定期テスト | 100点 |
数学が上がったことで、本人に自信がつきました。その自信は、ほかの教科への努力にも波及しました。夏期講習や冬期講習も頑張り、最終的に私立高校の志望校へ合格しました。
A君の場合、一つの教科で「できる」という感覚を持てたことが、その後の学習へ向かうきっかけになりました。
事例2|Bさん:英語20〜30点台から、80点・95点まで伸びた例
Bさんは、中2の7月末に入塾しました。それまで英語が苦手で、定期テストでは20〜30点ほどでした。夏期講習では、英語の語順、文の区切り、be動詞・一般動詞のルールから立て直しました。
いきなり問題を大量に解くのではなく、まず英語の仕組みを理解することから始めました。
| 時期 | 英語の点数 |
|---|---|
| 中2・9月中間テスト | 80点 |
| 中2・12月期末テスト | 95点 |
お母さまからも、「感激です。もっと早く習わせておけばよかったです。」というご連絡をいただきました。
Bさんの場合、英語の立て直しには段階を踏む必要がありました。最初から90点台を目標にせず、語順と文法を一つずつ確認しました。
Bさんは、理解が進むにつれてまず平均点を超え、その後、凡ミスを減らしながら文法と単語を積み上げ、80点、95点へ伸びました。
転機になったのは「わかる」という気持ち
A君もBさんも、共通しているのは、次の3つです。
- 「わかる」という気持ちが芽生えたこと
- ワークを解いても〇が多くなり、勉強が面白くなってきたこと
- 最初のテストで実際に点数が上がったこと
最初の小さな成功体験が、その後の大きな伸びにつながることもあります。そしてもう一つ、伸びる子には共通点があります。
凡ミスもミスとして受け止めること
「答えを見たらわかったから大丈夫」ではなく、テスト本番で間違えたなら、それは失点です。間違いを認めることが、伸びの第一歩です。
関連記事
勉強の遅れを取り戻す5ステップ
授業についていけない状態から立て直すには、やみくもに勉強時間を増やすだけでは不十分です。何から始めるかで結果が変わります。
学校ワーク・テスト・ノートを確認する
まずは実物を確認し、どこでつまずいているのかを特定します。
どの単元でつまずいているか確認する
英語ならbe動詞なのか、数学なら関数なのか、苦手の正体を具体化します。
現在のテスト範囲の基礎を固める
次の定期テストで少しでも点数を上げることは、自信になります。
必要な前単元だけ戻る
全部を最初から戻すのではなく、今の単元に必要な部分に絞ります。
解き直しをして「敵に勝つ」経験を作る
間違えた問題をもう一度解き、勝てなかった敵に勝てるようにします。
保護者がやりがちなNG対応
子どもが授業についていけないとわかると、保護者の方は不安になります。その不安から、すぐに何かをしたくなる気持ちはよくわかります。
ただし、対応を間違えると、子どもの気持ちがさらにマイナス方向へ引っ張られることもあります。まずは下の図で、避けたい対応と前向きなサポートを確認しておきましょう。
NG対応
- 子どもに知らせず、体験や入会まで決める
- 兄弟や友達と比べる
- 「がんばれ」だけで終わる
- ダメ出しで追い詰める
- 親が直接すべて教えようとする
OK対応
- まずできているところを見つける
- 味方であることを伝える
- 子どもと相談してから対策を選ぶ
- 手順を一緒に整理する
- 見守っていることを行動で示す
NG1|子どもに知らせず、体験や入会まで決める
保護者が情報収集のために塾や家庭教師へ問い合わせること自体は問題ありません。ただし、本人に知らせず、体験授業や入会まで決めるのは避けてください。何とかしてあげたいという保護者の気持ちが、本人には「勝手に決められた」と受け取られかねません。
体験や入会が決まった状態で初めて伝えられると、本人は「自分はもうダメだと思われている」「勝手に決められた」と受け取ることがあります。
学力への不安を繰り返し伝えるより、本人が困っている点と、どの支援を試すかを一緒に整理してください。
進める順番
責めずに状況を整理する → 本人と相談する → 体験や申込みへ進む。この順番を意識してください。
NG2|兄弟や友達と比べる
兄弟や友達と比べるのも避けたい対応です。「お兄ちゃんはできていた」「友達はもっと点数を取っている」「同じ塾の子はできている」。こう言われると、子どもはやる気になるより、傷つくことの方が多いです。
勉強は、ほかの人との闘いではありません。まずは、自分との闘いです。
NG3|「がんばれ」だけで終わる
「もっとがんばりなさい」「やればできるんだから」。この声かけだけでは、解決には足りません。
「がんばれ」だけでは、何をどの順番で進めるのかが伝わりません。具体的な手順と、どこから戻るかの確認が必要です。
NG4|ダメ出しで追い詰める
「また点数下がったの」「何回言ったらわかるの」「このままだとどうするの」。不安や焦りから、つい言ってしまう言葉かもしれません。
責める言葉が続くと、子どもは保護者へ困りごとを話しにくくなります。授業についていけないときは、一緒に対策を考える立場で関わってください。
NG5|親が直接すべて教えようとする
「私が教えてあげる」と、親御さんが直接教えようとするケースもあります。もちろん、親が教えてうまくいく家庭もあります。
ただし、親に教わると素直になれない、親自身が教え方に迷う、感情的になってしまう、親子バトルになる、という問題が起こることもあります。親は「教える人」よりも、「状況を一緒に整理する人」「味方として見守る人」に徹した方が、うまくいく場合もあります。
関連記事
声かけや親の関わり方で悩む場合は、次の記事も参考にしてください。
保護者が今日からできるサポート
では、保護者は何をすればよいのでしょうか。塾を20年以上運営してきた経験から、家庭で取り入れたい関わり方をお伝えします。
サポート1|できていることを言葉にして伝える
多くの中学生は、できていない点にすでに気づいています。できている点も具体的に伝え、今の状況を話せる雰囲気を作ってください。
ここはちゃんとできているね。前よりワークが進んでいるね。この問題は自分で解けたんだね。
こうした言葉は、自信を失っていた子どもが、今の状況や次の対策について話すきっかけになります。最初は「そう?できてる?」と半信半疑でも構いません。
サポート2|味方であると伝える
保護者との関係は、子どもが困りごとを相談できるかどうかを左右します。
責める、比べる、一方的に決める関わりが続くと、子どもは相談しづらくなります。できている点を伝え、一緒に対策を考える関わりへ切り替えてください。
「私は味方だよ」と伝え、子どもの話を途中で否定せずに聞く行動でも示してください。
サポート3|子どもと相談してから対策を選ぶ
子どもが今の状況を話せるようになったら、次のテストに向けた対策を一緒に相談します。
- 一人でできそうか
- 通信教材を使ってみるか
- 学習塾に通うか
- 家庭教師をつけるか
- 学校の先生に相談するか
保護者だけで情報を集めることは問題ありません。体験や申込みへ進む前に候補を子どもへ伝え、どの方法を試すかを一緒に決めてください。
サポート4|見守っていることを行動で示す
思春期の子どもは、手伝ってほしくても言えなかったり、本当は一人でやりたかったりと、気持ちが複雑です。
そんなときも、「何かあったら手伝うよ」「がんばってるね」「困ったら一緒に考えよう」「無理しすぎないようにね」という声かけだけでも、支えになることもあります。
親が気にかけている。ただし、責めてはいない。必要なときは助けてくれる。この支えられている感覚が、子どもが相談するきっかけになります。
学校の先生との連携の取り方
「学校の先生に相談すべきでしょうか?」これもよくいただく質問です。私の答えは、相談した方がよいです。ただし、タイミングと伝え方にコツがあります。
相談する前に|子どもへ内容を伝える
学校の先生への相談を遅らせる必要はありません。ただし、何を相談するのかを先に子どもへ伝え、できる範囲で同意を得てから進めます。内容を知らせずに大人だけで話を進めると、「勝手に決められた」と感じることもあります。
学習や学校生活への影響が大きいときは、子どもが相談を嫌がっていても、保護者だけで先に先生へ状況を伝えて構いません。その場合も、相談した内容は後から子どもへ説明してください。
私立中学校の場合|早めに相談する
私立中学校では、学校独自の教材や進度で授業が進むことがあります。遅れを感じた段階で、学校の進度と必要な復習範囲を確認してください。
学校での添削やサポート体制、家庭学習でできる対処法、授業についていくために必要な復習内容などを聞いてみるとよいでしょう。その情報を家に持ち帰り、お子さんと前向きに相談する材料にしてください。
公立中学校の場合|授業や学校生活の様子を聞く
公立中学校の場合、担当の先生や学校の体制によっては、個別の補習時間を設けてもらえないこともあります。それでも、学校生活や授業中の様子、提出物の状況、理解が難しくなっている場面を確認すると、家庭での対応を決める材料になります。
家庭では見えない原因がわかることもあります。
先生に伝えるときの言い方
たとえば、次のように伝えるとよいです。
最近、家でテストの点数のことで本人が悩んでいるようです。学校での様子はいかがでしょうか。授業中の様子や、つまずいている単元があれば教えていただきたいです。家庭でできるサポートもアドバイスいただけると助かります。
「責める」のではなく、「状況を教えてほしい」と伝え、先生と情報を共有しながら対応を相談してください。
自分で取り戻すのが難しいときの選択肢
家庭学習だけでは追いつかない場合、外部のサポートを検討するのは現実的です。ただし、ここでも、子どもと相談してから決める順番は変えません。
※教材の学習形式は2026年8月7日時点の公式案内を確認しています。料金・キャンペーン・対応範囲は変更されるため、申込み前に各公式サイトで再確認してください。
軽度〜中度の場合|通信教育で家庭学習を整える
軽度〜中度の段階で、学習習慣がある程度あり、自分で進められるお子さんには、通信教育が選択肢になります。学校内容に沿って進められる教材や、定期テスト対策に対応している教材は、家庭学習の助けになります。
進研ゼミやスマイルゼミのように、学校進度に沿った教材を選ぶ方法があります。ただし、教材を申し込むだけでは成績は上がりません。毎日少しずつ取り組むこと、間違えた問題を解き直すこと、保護者も進み具合を定期的に確認してください。
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学校内容に沿って家庭学習を整えたい場合は、教材の特徴を比較し、現在の学習状況に合うものを選んでください。
中度〜重度の場合|無学年方式の教材も選択肢
前の学年・前の単元まで戻る必要がある場合は、無学年方式の教材も候補になります。通常の通信教育は、学年ごとに内容が分かれていることが多いです。
一方、無学年方式なら、中3でも中1内容まで戻り、つまずいた単元から順に確認できます。「遠回りに見えても戻る」のさかのぼり学習が必要なお子さんには、一つの選択肢になります。
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授業をもう一度聞きたい場合|映像授業も候補
学校の授業で理解できなかった内容を、自分のペースで聞き直す方法として映像授業があります。スタディサプリのような映像授業型教材は、授業内容をもう一度確認するときの候補です。
ただし、映像を視聴するだけでは点数は上がりません。視聴後に問題を解く。間違えた問題を解き直す。学校ワークに戻る。この流れが必要です。
映像授業を検討する場合
授業をもう一度聞き直す必要があるときは、映像授業型教材も比較してください。
重度の場合|個別指導・塾・専門的サポートを検討する
基本問題でも戸惑うレベルの場合は、個別指導や塾で理解状況を確認しながら指導を受ける方法があります。集団塾では授業のペースに乗れず、また置いていかれてしまう可能性もあります。
個別指導を選ぶときは、お子さんの理解状況に合わせて進めること、質問の機会があること、わからない箇所を確認してもらえることを確かめてください。また、学習上の困難が疑われる場合は、必要に応じて専門的な相談も検討してください。
塾にするか家庭学習にするか迷う場合
塾が必要か、家庭学習で立て直せるかは、お子さんの遅れの段階と質問できる環境によって変わります。
教材選びに迷ったら比較記事で確認する
「結局どれを選べばいいの?」と迷う場合は、教材ごとの特徴を比較し、現在の学習状況に合うものを選びます。
軽度なら、学校内容に沿って家庭学習を整える教材。中度以上なら、さかのぼり学習ができる教材。重度なら、個別に指導を受けられる環境。この流れで、子どもの状態に合わせて選びます。
中学生向けの家庭学習教材を比較したい方へ
お子さんの状態に合う通信教育・家庭学習教材を比較したい場合は、主要教材の違いをまとめた記事も参考にしてください。
よくある質問
中学生が授業についていけないとき、まず何をすればいいですか?
まずは、学校ワーク、テスト、ノートを確認し、どの教科のどの単元でつまずいているかを特定してください。「勉強しなさい」と言う前に、つまずいている箇所を見つけます。
中学生が授業についていけないのは、やる気がないからですか?
やる気だけが原因とは限りません。勉強方法がわからない、前の単元が抜けている、質問できる環境がない、学校ワークが作業になっているなど、さまざまな原因があります。
中3の夏からでも間に合いますか?
地域の入試制度、内申点、現在の学力、志望校までの差で判断が変わります。新宮地域で指導してきた範囲では、基礎の抜けが軽く、志望校との差が大きくない生徒が中3の夏から立て直した例もあります。中度・重度の遅れがある場合は、できるだけ早く学習計画を組んでください。
英語についていけない場合、どこから戻ればいいですか?
まずは、語順、文の区切り、be動詞、一般動詞から確認します。文のルールが曖昧なままでは、単語を覚えても英文を正確に読み取りにくくなります。
数学についていけない場合、前の学年まで戻るべきですか?
必要があれば戻るべきです。ただし、すべてを最初から戻すのではなく、今の単元を理解するために必要な前単元に絞って戻るとよいです。
中学生が前の学年に戻って勉強するのは遅いですか?
遅くありません。英語や数学は、前の内容がわからないまま進むより、必要なところまで戻った方が結果的に早いこともあります。まさに「遠回りに見えても戻る」です。
塾に行かないと遅れは取り戻せませんか?
軽度であれば、学校ワークや通信教育を使って家庭で立て直せることもあります。ただし、中度以上で前の学年まで戻る必要がある場合や、基本問題にも戸惑う場合は、塾や個別指導を検討してください。
通信教育で授業の遅れは取り戻せますか?
子どもの状態によります。軽度であれば、学校内容に沿った通信教育でリズムを整えられることもあります。中度以上でさかのぼりが必要な場合は、無学年式で戻れる教材が合うこともあります。
親はどこまで勉強を確認すればいいですか?
親がすべて教える必要はありません。まずは、学校ワーク・テスト・ノートを一緒に確認し、どこで困っているかを整理してください。そのうえで、一人でできるのか、通信教材が合うのか、塾や家庭教師が必要なのかを、子どもと一緒に相談するとよいです。
まとめ|つまずいた場所を確認し、必要な順番で立て直す
中学生が授業についていけなくなる原因は、ひとつではありません。
- 勉強のやり方を知らない
- 前の単元・前の学年の積み残しがある
- 授業スピードについていけない
- 部活や習い事で時間が足りない
- 質問できない
- 先生の説明や授業の進み方が合わない
- 気持ちがマイナスに引っ張られている
こうした原因が絡み合っています。
確認したいこと
お子さんがどの段階にいるかを把握し、必要な順番で取り組むことです。
軽度では、一つの単元に絞れば数時間〜数日で不足部分を補えることもあります。中度では、数週間かけて今の単元と必要な前単元を補います。重度では、本人に合わせた個別サポートを検討してください。
保護者ができることは、できている点を言葉にして伝えること、味方であることを行動で示すこと、子どもと相談してから対策を選ぶこと、見守る姿勢を続けることです。
岩澤コーチから
勉強は、わからないものをわかるようにすることです。勝てない敵に、どうしたら勝てるかを考え、試行錯誤して、最後には勝つ。ほかの人は関係ありません。自分との闘いです。
解けるようになるための第一歩は、間違いを認めることです。凡ミスもミスとして、解き直す覚悟を持つことです。
テスト範囲の敵に全部勝てるようになったら、何点取れると思いますか。
忘れないでほしいこと
遠回りに見えても戻る。千里の道も一歩から。
私自身、カナダに留学していた頃、英語に苦労しながら一歩ずつ前に進んだ経験があります。最初はわからないことばかりでも、続けるうちに「わかる」瞬間が来ることもあります。
今日から、できることを一つずつ進めてください。焦らず、必要な順番で取り組めば、理解できる範囲を増やしていけます。
