- 「うちの子、家でほとんど勉強しない」
- 「何をやればいいのか分からない」
- 「部活で疲れて、帰ってきたらスマホばかりになる」
- 「テスト前だけ焦って、結局ワークが終わらない」
中学生のお子さんを持つ保護者の方から、こうした相談をよく受けます。
成績を上げるために、いきなり完璧な1日を作る必要はありません。
まず見るのは、帰宅後です。
基本の入口は、帰宅後15分です。
ただし、部活で疲れている日や、今ほとんど勉強できていない子は10分でかまいません。
机に向かうこと自体が重い日は、最初の5分だけでも前進です。
ここでは、この小さな入口から、1日の勉強習慣を作っていきます。
お母さん
いきなり長時間ではなく、まず帰宅後の入口を見るんですね。
岩澤コーチ
はい。勉強時間をいきなり増やすより、まず帰宅後に学校ワークを開く場所を決める方が現実的です。
私は和歌山県新宮市で20年以上、学習塾を運営してきました。塾で生徒を見ていると、成績が上がる子は、1日の中で勉強に入るタイミングが決まっています。
- 家で勉強しない子が最初にやること
- 学校ワークを使った1日の勉強の流れ
- 平日・休日の勉強時間とスケジュール例
- 部活・スマホで崩れる日の立て直し方
- 保護者が家庭で見るところ
結論|成績が上がる1日は「学校ワークを開く入口」から作る
ここでいう学校ワークとは、学校で配られる教科書準拠の問題集や副教材のことです。
定期テストでは、学校ワークと似た問題が出ることも多いため、家庭学習の中心に置きます。
成績が上がる子は、次の流れを少しずつ回しています。
成績が上がる中学生の基本の流れ
学校 → 復習 → 演習 → 見直し
復習とは、今日学校で習ったところをもう一度見ることです。
演習とは、ワークを自分の力で解くことです。
見直しとは、赤で直して終わりにせず、間違えた問題をもう一度自分で解くことです。
この流れを作る入口が、帰宅後の最初の勉強です。
最初から90分を目指す必要はありません。
- まずは学校ワークを開く。
- 授業中に分からなかった場所を見る。
- 1問だけ解く。
ここから始めてください。
このあと、いくつか例を出します。
ただし、最初に決めるのは3つだけです。
学校ワークを開く時刻
疲れている日に10分でやる内容
寝る前のスマホの置き場所
朝学習や休日の長い勉強時間は、流れができてから足します。
悩み別|まず今日やること
悩みは違っても、今日やることは大きく3つに分かれます。
- 始める時刻を決める
- 10分でやる内容を決める
- スマホの置き場所を決める
理想の1日を最初から全部まねる必要はありません。
お子さんの状態に合わせて、今日やることを一つだけ決めます。
家でまったく勉強しない子
今日やること:学校ワークを開く時刻を決める。
19時30分、夕食後、お風呂の前など、始めるタイミングを一つ決めます。
最初は1問だけで十分です。
何を勉強すればよいか分からない子
今日やること:学校ワークだけに絞る。
今日学校で習ったページを開きます。
間違えた問題には印をつけます。
部活で疲れて動けない子
今日やること:10分で終わる内容を一つ決める。
疲れている日は、長くやるよりゼロにしないことを優先します。
スマホで夜が崩れている子
今日やること:スマホの置き場所を決める。
寝る30分前になったら、スマホをリビングで充電します。
テスト前だけ焦る子
今日やること:学校ワークの残りページを確認する。
テスト前に焦る子は、ワークがどこまで残っているかを普段見ていないことが多いです。
今日はまず、終わったページと残っているページを見てください。
中学生の勉強時間|最初は短く、そこから伸ばす
勉強時間は、今の状態によって分けます。
いきなり平日90分を目標にしないでください。
順番はこうです。
ほとんど勉強していない子
最初の基本
少し動ける子
習慣が安定してきた子
以上
点数を上げにいく時期
最初に見るのは、昨日より少しでも始められたかです。
全国調査や民間アンケートを見ると、中学生の家庭学習時間は学年が上がるにつれて長くなる傾向があります。
ただし、家庭で最初に見るのは平均時間ではありません。
- 今日、学校ワークを開いたか。
- 間違えた問題をもう一度解いたか。
この2つを見てください。
数字だけを見て焦っても、行動は変わりません。
短い時間が続くようになってから、30分、60分、90分へ伸ばします。
参考|続くようになってから見る学年別の到達目標
学校ワークを開く流れができてから、学年ごとの目安を見ます。
私が塾で見ている感覚では、中1は1時間前後、中2は1時間半前後、中3は2時間以上が一つの目安です。
ただし、これは最初の目標ではありません。
学校ワークと間違え直しが回るようになってから見る到達点です。
時間だけ増やしても点数は上がりません。
見てほしいのは、次の4つです。
- 何を覚えたか
- 何を解いたか
- どこを間違えたか
- 間違えた問題をもう一度解いたか
この4つがない勉強は、時間だけ増えても点数に変わりません。
朝の勉強は、余裕が出てからでよい
この記事の中心は、朝ではありません。
まずは帰宅後に学校ワークを開く流れを作ってください。
それが少し回り始めてから、朝に短い確認を足します。
やるなら、次のどれか一つで十分です。
- 英単語を5個見る
- 漢字を3つ書く
- 前日のノートを1ページ見る
睡眠を削ってまで朝学習を入れる必要はありません。
厚生労働省の睡眠ガイドでも、中学・高校生は8〜10時間を参考にすることが示されています。
朝が無理な日はやらなくてかまいません。
学校での過ごし方|分からない場所に印をつける
中学生は、家より学校で過ごす時間の方が長いです。
だから、学校の授業を軽く見てはいけません。
ただし、勉強が苦手な子が、最初から全部理解しようとする必要はありません。
授業中に全部分かる必要はありません。
ただし、分からなかった場所を分からないまま流さないでください。
印をつけるだけで、家で見る場所が決まります。
余裕が出てきたら、次の3つを目指します。
- 授業の内容を授業中に理解する
- 自分に必要な情報をメモに取る
- 疑問点を授業後に質問する
最初は、「分からなかった場所をそのままにしない」ことから始めてください。
授業時間をうまく使っていた生徒の例
以前、授業時間をとても上手に使っていた生徒がいました。
その子は、学校が終わったあとに部活や楽器、ゲームの時間も取りたいので、授業中にできるだけ理解を進めていました。
授業中に「分かったところ」と「分からなかったところ」を分け、家で見る場所をはっきりさせていたのです。
真似してほしいのは、成績や勉強量ではありません。
家で見る場所を、授業中に決めておく姿勢です。
帰宅後の過ごし方|まず「始める時刻」を決める
帰宅後にまず決めるのは、勉強時間ではありません。
最初に決めるのは、「何時に始めるか」です。
始める時刻が決まっていないと、スマホ、動画、ゲーム、休憩のまま時間が流れます。
帰宅後すぐでなくてもかまいません。
部活で疲れている子は、夕食やお風呂のあとから始めてもかまいません。
ただし、「何時から始めるか」は先に決めてください。
内容は、最初から広げないでください。
まずは、次の2つです。
- その日の学校の授業の復習
- 学校ワーク
余裕が出てきたら、苦手科目や暗記を足します。
大切なのは、何を覚えたか、何を間違えたか、何をやり直したかです。
お母さん
「何時間やったの?」ではなく、「何を覚えたの?」と聞く方がよいんですね。
岩澤コーチ
その通りです。「どんな勉強をしたの?」と聞いて、覚えていたら褒めてあげてください。褒められると、次も覚えようとする子は多いです。
寝る前の過ごし方|勉強より先にスマホを閉じる
寝る前は、暗記や軽い確認と相性がよい時間です。
ただし、その前にスマホを閉じてください。
寝る直前までスマホやタブレットを見ていると、寝る時間が遅くなります。
翌日の朝と学校での集中にも響きます。
- 英単語の確認
- 漢字の確認
- 社会・理科の一問一答
- 間違えた問題の軽い見直し
- 教科書やノートの要点確認
- 難しい応用問題を長時間考え込む
- 寝る直前までスマホやタブレットを見る
- 時間を忘れて何時間も続ける
反対に、寝る前に難しい応用問題を長時間考え込むのは避けてください。
就寝30分前には勉強も終えます。
スマホは寝室に持ち込まず、リビングで充電するルールにしてください。
平日のスケジュール例|時刻はあくまで目安です
ここから、時刻入りのスケジュール例を出します。
この通りに動かす必要はありません。
見てほしいのは、何時に起きるかではなく、どこで学校ワークを開くかです。
ずれた日は、全部取り返そうとしないでください。
学校ワーク10分、または暗記10分に落としてください。
部活ありの日
部活後に、どこで学校ワークを開くかを見る例です。
部活。
帰宅・夕食・お風呂・休憩。
学校ワークを開く。
余裕があれば、ワークの続き・間違え直し。
英単語や漢字を軽く見る。
就寝。
最初から21時までやる必要はありません。
まずは20時に学校ワークを開くことを目標にします。
部活なし・文化部の日
帰宅が早い日は、夕方に一度勉強へ入る場所を作ります。
帰宅。
その日の復習・学校ワーク。
自由時間。
暗記または苦手科目。
就寝。
きつい日は、17:00からの最初の15分だけでもかまいません。
塾がある日
塾の日は、授業を受けっぱなしにしない日です。
塾。
帰宅・お風呂。
塾の復習・暗記。
就寝。
帰宅後に長く勉強するより、短く復習してください。
その日のうちに「今日何を習ったか」を確認します。
休日のスケジュール例|午前中に一度机に向かう
休日は、午前中を使えるかどうかで差が出ます。
ただし、いきなり長時間を目標にしないでください。
段階は次のように分けます。
- まだ習慣がない子:午前30分だけ
- 少し慣れてきた子:午前60分+夜30分
- テスト前・受験期:午前・午後・夜に分けて勉強する
まずは午前中に一度机に向かうことです。
休日の基本例
休日に生活が崩れる子は、午前中に一度学校ワークを開く時間を作ります。
起床。
学校ワーク。
自由時間・部活・家の予定。
英単語・漢字・一問一答。
就寝。
まずはこの30分が続けば十分です。
テスト前・受験期にしっかり勉強する日の例
テスト前や受験期は、午前・午後・夜に分けます。
前日の復習+学校ワーク。
新しい単元・応用問題。
その日のまとめ・弱点確認。
普段の休日からこの量をやる必要はありません。
テスト前や受験期の例として見てください。定期テスト前の具体的な勉強計画は、関連記事「【現役塾長が解説】中学生の定期テスト勉強法|やり方次第で30点変わる正しい対策とスケジュール」で詳しくまとめています。
休日に部活がある日は、部活前か帰宅後のどちらかで10分だけ学校ワークを開きます。
疲れている日は、英単語や一問一答を10分だけでもかまいません。
部活がある日に、10分でやる具体例
10分でやるなら、次のどれか一つに絞ります。
- 英単語を5個見る
- 計算を3問解く
- 学校ワークを1ページ開く
- 授業中に印をつけた場所を1つ見る
一度ソファに座ると動けない子は、帰宅後すぐ5分だけでも机に座ってください。
岩澤コーチ
塾でも、最初の5分が動けない子は、その日全体の集中も鈍くなります。始めるまでが一番重いです。だから、最初の5分だけを目標にしてもいいです。
保護者ができるサポート
声かけは「やる気」より「始める時刻」を見る
「やる気が出るまで待つ」ではなく、始める時刻を一緒に決めてください。
やる気がなくても、決めた時刻になったら学校ワークを開く。
ここまで決めると、子どもは動き出せます。
声かけは、次のように変えてください。
- 勉強しなさい
- 何時間やったの?
- 今日は何時から始める?
- 何を覚えた?
週に1回、学校ワークを見る
毎日細かく管理すると、親子でぶつかることが増えます。
週に1回でよいので、学校ワークを一緒に見てください。
見るのは、終わったページと、間違えた問題に印があるかです。
努力の過程を見る
点数を見ることも必要ですが、点数だけで終わらせない方がよいです。
「どこに力を入れて頑張った?」と聞いてください。
地味な反復を見てもらえていると、子どもは次も続けようとします。
岩澤コーチ
地味な反復こそ、後で大きな力になります。子どもの日々の積み重ねを見つけて言葉にしてあげることが、家庭でできる大切なサポートです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 学校ワークを開くだけで終わる日は、それでもいいですか?
最初はそれでかまいません。今まで家でまったく勉強していなかった子にとっては、学校ワークを開くこと自体が前進です。ただし、開くだけの日が続く場合は、1問だけ解くところまで決めてください。
Q2. 子どもが「あとでやる」と言うときはどうすればいいですか?
「あとで」は、いつ始めるかが決まっていない状態です。「何時から始める?」と聞いて、時刻を決めてください。また、自分でタイマーをセットするのも、ゲーム感覚で良いと思います。夕食後、お風呂の前など、家庭で続けられるタイミングを一つ決めます。
Q3. リビング学習が難しい場合はどうすればいいですか?
場所はリビングでなくてもかまいません。大切なのは、勉強する場所からスマホ、ゲーム、漫画を遠ざけることです。自室で勉強する場合も、机の上にはその日に使う教材だけを置いてください。
Q4. 兄弟がいてリビングが騒がしい場合はどうすればいいですか?
騒がしい時間だけ、部屋を分ける、イヤホンを使うなどの一時的な工夫で十分です。毎回、完璧な静けさを用意する必要はありません。短い時間でも集中できる工夫を、家庭で一つ決めてください。
Q5. 朝練がある日は、朝学習をどうすればいいですか?
朝練がある日は、朝学習を無理に入れる必要はありません。睡眠を優先してください。その分は、寝る前の暗記や、通学中の確認に回します。
まとめ|今日やることは3つだけ
成績が上がる子は、特別な才能だけで伸びているのではありません。
1日の中で、勉強に入る場所が決まっています。
まず今日やることは3つだけです。
学校ワークを開く時刻を決める
疲れている日にやる10分の内容を決める
寝る前のスマホの置き場所を決める
この3つが決まれば、今日から動けます。
剣道や茶道で使われる「守破離」という言葉がありますが、私自身はこの考え方を剣道で学びました。
まずは型を守る。この記事でいえば、「学校ワークを開く時刻を決める」ことです。
慣れてきたら、お子さんに合う形へ少しずつ変えていきます。
今日、お子さんと一緒に「明日の勉強を何時に始めるか」を一つだけ決めてみてください。
完璧である必要はありません。
一つずつ整えていきましょう。
お子さんに合った1日の勉強習慣を一緒に考えます
🌱 お子さんに合った1日の勉強習慣を一緒に考えます
「うちの子、このやり方でいいの?」
「部活後にどう勉強すればいいの?」
「スマホ時間が長くて、勉強に入れない」
家庭だけで整えるのが難しい場合は、ご相談ください。
ご相談では、ここを一緒に見ます
- 生活リズム
- 部活の有無
- 学年
- 苦手科目
- 最初に直す場所
📩 ご相談は随時受付中
相談したからといって、必ず入塾をすすめるわけではありません。塾が必要ない状態なら、そうお伝えします。
関連記事
出典・参考
- 国立教育政策研究所「令和5年度 全国学力・学習状況調査」
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
- 株式会社DeltaX『塾選』編集部「中学生の勉強時間に関するアンケート(2024)」



