中学生が勉強しない理由は、「やる気がない」だけではありません
お子さんがどこで止まっているのかを見つけると、親がかける言葉も、必要なサポートも変わります。
「勉強しなさい」と言うたびに、親子げんかになる。
優しく言っても動かないし、強く言うと反発するし、何も言わないと、本当に何もしないなど・・・
子どもがスマホやゲームを見ている姿を見るだけで、心がざわつく・・・
中学生のお子さんを持つ保護者の方から、このようなご相談を受けることがあります。
私は和歌山県新宮市で20年以上、学習塾アイリスを運営している岩澤と申します。
入塾前のご相談でよく聞くこと
- 「家でまったく勉強しません」
- 「学校ワークを答えを見ながら埋めているだけです」
- 「英語と数学が分からなくなっています」
- 「スマホやゲームばかりで、始める気配がありません」
- 「中3なのに、志望校も決まっていません」
親としては、心配だから声をかけます。でも、何度言っても変わらない。そのうち、親の方も疲れてきます。
- 「また言ってしまった」
- 「またケンカになった」
- 「もう何を言えばいいのか分からない」
そう感じる日があっても、当然だと思います。
ただ、ここで一度だけ見方を変えてみてください。
中学生が勉強しないのは、単に「やる気がない」だけではありません。
勉強のやり方が分からない。英語や数学が分からなくなっている。学校ワークが作業になっている。何を具体的に勉強の行動をすればよいか分からないから、スマホやゲームに流されてしまう。部活で疲れている。親に言われると反発してしまう。中3なのに目標が見えていない。
このように、いくつかの理由が重なって、勉強に向かう前で止まっていることが多いです。
この記事では、中学生が勉強しない理由を7つに整理しながら、中1・中2・中3で親がどのように関わればよいかをお伝えします。
中学生が勉強しないのは「やる気がない」だけではありません
中学生が勉強しないと、親はどうしても「やる気がない」「怠けている」と感じてしまいます。
スマホを見ている。ゲームをしている。声をかけても返事だけ。学校ワークも進んでいない。
この姿を毎日見ていれば、そう思ってしまうのも無理はありません。
ただ、入塾前のご相談で話を聞いていくと、実際にはいろいろな理由が重なっています。
たとえば、英語や数学が分からない。分からないから学校ワークが進まない。進まないから答えを写す。点数が取れない。自信がなくなる。その気持ちをごまかすようにスマホやゲームに逃げる。
そこへ親が「勉強しなさい」と言う。すると、子どもは反発する。
このような流れになっていることがあります。
表面だけを見ると「勉強しない子」に見えるのですが、実際には「何から始めればいいか分からない子」になっている場合があります。
もちろん、だからといって放置してよいわけではありません。
責めないことと、放置することは違います。
親が見るべきなのは、やる気があるかないかだけではありません。
お子さんがどこで止まっているのか。何が引っかかっているのか。
まずは、そこを見てください。
理由が違えば、親がかける言葉も、必要なサポートも変わります。
中学生が勉強しない7つの理由
ここでは、入塾前のご相談でよく出てくる状態をもとに、中学生が勉強しない理由を7つに分けて整理します。
ただし、実際には1つだけに当てはまる子は少ないです。
- 「分からない」
- 「自信がない」
- 「スマホに逃げる」
- 「親に言われて反発する」
このように、理由がつながっていることもあります。
ですので、どれか1つに決めつけるのではなく、「うちの子はどれが強いかな」と見てください。
理由1勉強のやり方が分かっていない
「勉強しなさい」と言われても、子ども自身が何をすればよいか分かっていないことがあります。
机には向かう。でも、ワークを開いて止まる。教科書を眺めるだけで終わる。ノートをきれいにまとめて満足する。答えを見ながら埋めて、勉強したつもりになる。
親から見ると、「やる気がない」と見えるかもしれません。
本人の中では、こうなっていることがあります
- 「どこから始めたらいいか分からない」
- 「何を覚えたらいいか分からない」
- 「どこまでやればいいか分からない」
この場合に必要なのは、「もっと頑張りなさい」という声かけではありません。
まずは、今日やることを小さく決めることです。
- 「今日は英語と数学、どっちなら始めやすい?」
- 「何時からなら10分できそう?」
このくらい小さくて構いません。
ただし、こう聞いても「別に」「知らん」と返ってくることもあります。
その場合は、無理にその場で答えを出させようとしなくて大丈夫です。
- 「じゃあ、夕ごはんのあとに、次回のテスト範囲のワーク1ページだけしてみようか」
- 「今日は10分だけでいいから、始める時間だけ決めようか」
このように、選択肢をさらに小さくしてください。
それでも返事がない場合は、その場で決着をつけようとしなくて構いません。
押し問答が続くと、勉強ではなく親子げんかが目的になってしまいます。
その日は声かけを一度切り上げて、翌日にまた小さく聞き直すくらいで大丈夫です。
勉強しない子に、最初から大きな目標を出すと、始める前に止まります。
まずは、始められる形にしてあげることです。
あとは、できたら、ほめてあげることもお忘れなく。
反抗していても、お母さん(お父さん)のこと大好きですから。
表情や態度に出なくても、ほめられたら、心の中ではとても喜んでいます。
理由2英語・数学が分からなくなって動けない
中学生の勉強で特に注意したいのは、英語と数学です。
この2教科は積み上げの教科です。前の内容があいまいなまま進むと、後の単元で一気に苦しくなります。
英語なら、中1のbe動詞・一般動詞・三単現・過去形などがあいまいなまま中2に入ると、その後の内容も分かりにくくなります。
数学も、中1の正負の数、文字式、方程式・比例反比例などが不安定だと、中2の式の説明、連立方程式、一次関数で止まりやすくなります。
親から見ると「勉強しない」に見えても、実際には「分からないから手が止まっている」だけかもしれません。
見分けるポイント
- ワークの最初の数問で止まる。
- 解説を読んでも自分では解けない。
- 答えを写して提出だけ済ませようとする。
- 英語や数学だけ極端に嫌がる。
この場合は、今の単元を無理に進めるより、前の単元に戻った方が早いことがあります。
ただ、保護者の方が「どこまで戻ればいいのか」を判断するのは簡単ではありません。
家庭で確認するなら、まず教科書や学校ワークの目次を一緒に見てください。
英語なら、中1の文法から見て、「これは分かる」「これは怪しい」と本人に確認します。
数学なら、計算、文字式、方程式、関数の順に、どこから手が止まるかを見ます。
細かくテストを作る必要はありません。まずは、本人が「ここから分からない」と言える場所を見つけることです。
ただし、本人が一緒に見るのを嫌がる場合もあります。
そのときは、無理にその場で確認しなくて構いません。
学校ワークを見てみてください。間違いが多い単元から推測できます。間違えた問題がなくすべて〇になっている場合は、これまでのテストの状況で確認できます。
また、中学生本人にとっては、「前に戻る」ことを嫌がる場合もあります。
でも、分からないまま進む方が、もっと苦しくなりますし、受験に近づくにつれて、受験勉強の大変さが増します。
入塾前のご相談でも、「中2になって急に分からなくなった」と言われることがありますが、よく見ると中1英語の基礎や、中1数学の計算・方程式で止まっていることがあります。
戻ることは、遅れることではありません。
前に進むために、止まっている場所を直すということです。
今進んでいるところ+復習になるので結構大変なこともあるかもしれません。
そんなときは、夏期講習や冬期講習などを利用したり、取り戻す部分を個別指導にしたり、戻ることを特徴にした家庭用教材を使用するのも一つの手です。
理由3学校ワークが作業になっている
学校ワークを出していても、点数につながっていない子がいます。
この場合、ワークをやっていないのではなく、やり方が間違えています。
答えを写す。赤で丸つけだけする。間違えた問題をそのままにする。提出のためにページを埋める。
これでは、ワークを出していても、テスト本番で自分の力で解けるようにはなりません。
学校ワークは「提出するもの」でもあります。
しかし、本来は「テストで点を取るための練習」です。(「テストの点数とは別に通知表の観点評価の材料」でもあります。)
ここがずれると、子どもはワークを終わらせたのに点数が上がらない、という状態になります。
- 「やっても点が取れない」
- 「どうせ無理」
となってしまいます。
学校ワークで見てほしいのは、提出したかどうかだけではありません。
間違えた問題を、もう一度自分で解けるようにしたか。
ここです。
1回目に間違えた問題や不安が残る問題には印をつけます。
また、やり直しは1回正解しただけで終わりにせず、時間を空けてもう一度解けるか確認します。
「自分の力で迷わず解けた」が積み重なるまで繰り返す。
ここが学校ワークを点数につなげるポイントです。
学校ワークを提出しているのに点数が上がらない場合、ワークが「練習」ではなく「提出する作業」になっていることがあります。
〇のつけ方や、いつ解き直すかまで決めておくと、学校ワークが点数につながります。
理由4スマホ・ゲームで始められない
今の中学生にとって、スマホやゲームはかなり強い誘惑です。
動画、SNS、ゲーム、友達との連絡。勉強よりもすぐに楽しいものが目の前にあります。
親から見ると、
- 「スマホを触る時間があるなら勉強できるでしょ」
と思いますよね。
それは本当にその通りです。
ただ、いきなり完全に取り上げると、反発が強くなることがあります。
特にスマホは、今の中学生にとって友達関係にも関わります。親が思っている以上に、子どもにとって大きな問題になっている場合があります。
ですから、いきなり全面禁止にするより、まずは場面を小さく区切ってみてください。
たとえば、このくらいからで構いません
- 勉強中の30分だけリビングで充電する。
- テスト前の1週間だけ使用時間を決める。
- 夜は決まった場所で充電する。
- ルールを破ったときの対応を先に決めておく。
ただ、保護者の方の中には、
- 「それはもう試しました」
- 「ルールを決めても破ります」
と思われる方もいると思います。
その場合、一度ルールを破ったからといって、すぐに全部取り上げると、次は隠れて使うようになることがあります。
まずは、
- 「なぜ守れなかったのか」
- 「次はどの時間なら守れそうか」
を一度だけ確認してください。
そのうえで、もう一度小さく決め直します。
それでも何度も破る場合は、スマホだけの問題ではないかもしれません。
睡眠時間が崩れていないか。学校生活に影響が出ていないか。昼夜逆転に近くなっていないか。
ここまで見る必要があります。
睡眠時間が大きく崩れている場合は、勉強以前に生活リズムの問題になっています。
この場合は、子どもの納得を待つだけではなく、夜の使用時間や充電場所を家庭のルールとして決める必要があります。
学校生活にも影響が出ている場合は、担任の先生やスクールカウンセラーなどに相談することも考えてください。
スマホのルールは、親子でケンカしながら決めるより、落ち着いているときに決めた方が続きやすいです。
理由5部活や人間関係で疲れている
「勉強しない」のではなく、「勉強する気力が残っていない」子もいます。
中学生は、学校、部活、友達関係でかなりエネルギーを使っています。
大人から見ると、
- 「部活があっても勉強はするべき」
と思うかもしれません。
もちろん、それはその通りです。
ただ、帰ってきた時点で完全に疲れ切っている子に、いきなり長時間の勉強を求めても続きません。
特に中2では、3年生が引退したあと、部活で中心になる子もいます。
責任が増える。練習量が増える。後輩の面倒を見る。人間関係も変わる。
その結果、家庭学習が崩れることがあります。
こういう場合は、
- 「今日は疲れていると思うから、英単語だけ確認しようか」
- 「30分は無理でも、10分だけならできそう?」
- 「今日は何を最低限やって寝る?」
というように、最低ラインを作る方がよいです。
ただし、最低ラインだけで成績が大きく上がるわけではありません。
最低ラインは、あくまでゼロにしないための入口です。
ゼロの日が続くと、次に始めるときのハードルがどんどん上がります。
まずは10分でも続ける。そこから、テスト前には学校ワークの量を増やす。英語や数学は止まっている単元に戻る。
この順番で少しずつ立て直していきます。
疲れている子に必要なのは、根性論ではありません。
まずは、完全に止めないことです。
理由6親に言われると反発してしまう
中学生は、親の言うことが正しいと分かっていても、素直に聞けないことがあります。
- 「分かってるって」
- 「今やろうと思ってた」
- 「うるさい」
このような言葉が返ってくることもあります。
親からすれば、
- 「分かっているならやってほしい」
と思いますよね。
ここは本当にその通りです。
何度も同じことを言わされる親の方も、かなりしんどいと思います。
ただ、子どもの「分かってるって」の裏には、
- 「自分でもまずいと思っている」
- 「でも今は親に言われたくない」
- 「できていない自分を見られたくない」
という気持ちが隠れていることがあります。
ここで命令口調が続くと、勉強そのものよりも、親への反発が前に出てしまいます。
親の声かけが悪い、という話ではありません。
今の言い方で届かないなら、届き方を少し変えてみるとよいかもしれません。
命令ではなく、確認に変える
- 「早く勉強しなさい」ではなく、「今日は何時から始める予定?」
- 「今すぐじゃなくていいけど、何をやるかだけ決めておこうか」
- 「英語と数学、どちらからなら始められそう?」
このように、命令ではなく確認に変えると、反発が少し弱まることがあります。
ただし、1回言い方を変えたからといって、すぐに子どもが変わるわけではありません。
これまで何度も勉強の話でぶつかってきた場合、子どもも身構えています。
最初は「また何か言われる」と感じるかもしれません。
ですので、数日で判断しなくて大丈夫です。
まずは、1日1回だけでも、責める言葉を確認する言葉に変えてみてください。
それを続けていく中で、少しずつ会話のぶつかり方が変わることがあります。
理由7中3でも志望校が決まらず、何をすればよいか分からない
中3になると、「受験生なのに勉強しない」という相談が増えます。
親としては、かなり焦ると思います。
受験が近づいているのに、本人が動かない。志望校も決まっていない。模試や実力テストの結果を見ても、危機感がないように見える。
この状態を見ると、不安になるのは当然です。
ただ、中3で動けない子の中には、やる気がないというより、目標と現在地が整理できていない子もいます。
どこの高校を目指すのか。今の成績でどれくらい足りないのか。どの教科で点を取るのか。何から手をつけるのか。
ここが見えていないと、受験勉強は始めにくいです。
また、「今からでは間に合わない」と思い込んで、逆に動けなくなる子もいます。
中3からでも間に合う可能性はあります。
ただし、志望校と現在地(現在の成績)によります。
ここは甘いことは言えません。
間に合うかどうかは、
今の点数や志望校、そして残り期間によります。
そして、作戦としてどの教科で点を取るか、どこまで基礎に戻る必要があるか。
このあたりで変わります。
だから、まず必要なのは根性論ではありません。
現在地の確認です。
中3で今日できる現在地チェック
- 直近の定期テスト・実力テストの点数を見ること。
- 志望校が決まっているかを確認すること。
- 英語・数学でどこから分からないかを見ること。
- 理科・社会で点にしやすい単元を探すこと。
- 今月やる単元を2〜3個に絞ること。
1つ目は、直近の定期テスト・実力テストの点数を見ることです。
点数を見るのは怖いかもしれません。でも、現在地を見ないと作戦は立てられません。
2つ目は、志望校が決まっているかを確認することです。
まだ決まっていない場合は、「行きたい高校」「現実的に狙える高校」「安全圏の高校」を学校や塾の先生と一緒に整理してください。
3つ目は、英語・数学でどこから分からないかを見ることです。
英語なら、中1文法に戻る必要がある子もいます。数学なら、計算、方程式、関数のどこで止まっているかを見る必要があります。
4つ目は、理科・社会で点にしやすい単元を探すことです。
理科・社会は、単元を絞って点につなげやすい場合があります。全部を一気にやろうとせず、まずは出やすい単元や苦手すぎない単元から確認します。
5つ目は、今月やる単元を2〜3個に絞ることです。
中3で一番避けたいのは、何となく焦って、何となく問題集を開くことです。
それでは続きませんし、寄り道する勉強法になってしまうこともあります。
単元を絞る。基礎を確認する。その後で過去問や実戦問題に進む。
この順番を整理してください。
中3で動けない子は、危機感がないというより、志望校・今の点数・何をすればよいかが整理できていないことがあります。
迷う場合は、早めに学校や塾の先生など、信頼できる第三者に相談してください。
見分け方|うちの子はどこで止まっているのか
7つの理由を読んで、
- 「うちの子は全部当てはまる気がする」
と思った方もいるかもしれません。
実際、それは珍しくありません。
理由は1つではなく、重なっていることが多いからです。
その場合は、次のチェックリストで見てください。
チェックリスト
- 机には座るが、ほとんど進まない
- 学校ワークを答えを見ながら鉛筆で埋めて、〇をつけている
- 英語・数学だけ極端に嫌がる
- スマホ・ゲームを始めると止まらない
- 親が言うとすぐ反発する
- テスト前だけ焦る
- 中3でも志望校が決まっていない
- 部活で疲れて、家に帰ると何もできない
- ノートまとめや答え写しで勉強したつもりになっている
- 何から始めればいいか本人も分かっていない
3つ以上当てはまる場合は、本人のやる気だけの問題ではなく、勉強の進め方、環境、親子関係が重なっている可能性があります。
5つ以上当てはまっても、すぐに手遅れという意味ではありません。
ただ、家庭の声かけだけで変えるには、保護者の負担が大きくなっている可能性があります。
その場合は、学校の先生や塾の先生など、第三者に一度相談した方がよいかもしれません。
ここで見るのは、原因を当てることではありません。
「この子は今、どこで止まっているのか」を見ることです。
責めるためではありません。
助けるために見るのです。
学年別の特徴と対応|中1・中2・中3で違います
同じ「勉強しない」でも、中1・中2・中3では背景が変わります。
学年に合わない声かけをすると、親子で余計に苦しくなることがあります。
中学1年生|小学校との違いで崩れやすい時期
中1は、小学校から中学校へ大きく環境が変わる時期です。
授業のスピードが速くなる。教科ごとに先生が変わる。部活動が始まる。定期テストで点数がはっきり出る。提出物の管理が一気に増える。
小学校では宿題を出せていた子でも、中学校に入ると急に崩れることがあります。
テスト範囲表を見ても、何をすればよいか分からない。学校ワークをいつまでに終わらせればよいか分からない。親も「中学生だから自分でやるだろう」と思っていたら、最初の定期テストで思ったより点が取れない。
このようなことがあります。
特に中1の1学期で、英単語の練習が雑になっている場合や、数学の正負の数でミスが多い場合は、早めに直した方がよいです。
ここを「まだ中1だから」と流すと、2学期以降に差が出やすくなります。
中1で、いきなり長時間勉強させようとすると、続かないことが多いです。
まずは、学校ワークや宿題を出しっぱなしにせず、毎日少しでも机に向かう流れを作ります。
1日15分〜30分でも構いません。
「毎日まったくやらない」を防ぐ。
まずはここからで十分です。
中学2年生|中だるみだけでなく、英数の積み残しが出る時期
中2は、教育現場でも特に難しい学年です。
「中だるみ」と言われることもありますが、それだけではありません。
中1英語の基礎が分かっておらず、中2でつまずく。数学は、式の説明、連立方程式、一次関数で差が出る。その後、証明で一気に苦手意識が強くなる。
学校ワークが雑になる。
3年生が部活を引退し、部活優先で家庭学習が崩れやすい。
反抗期で親の声が届きにくい。
こういったことが重なりやすい時期です。
中2で怖いのは、本人も親も「まだ受験は先」と思いやすいことです。
しかし、中2で英語と数学の基礎が崩れると、中3になってから戻るのがかなり大変になります。
特に英語は、中1内容が分かっていないと、中2内容も分かりにくくなります。
数学も、式の説明、連立方程式、一次関数、証明のあたりで止まる子が出てきます。
ここを放置すると、中3になってから「どこから戻ればいいのか」が分かりにくくなります。
逆に言うと、中2のうちに止まっている場所を見つけられれば、中3になる前に立て直しやすくなります。
中2は、まだ間に合う時期です。
ただし、放っておいて自然に戻るとは限りません。
英語と数学のどこで止まっているか。学校ワークが答え写しになっていないか。部活で疲れていても、最低限の家庭学習が残っているか。
ここを見てください。
中学3年生|焦りすぎて動けない子もいます
中3になると、親はどうしても焦ります。
受験が近づいているのに勉強しない姿を見ると、「今のままで大丈夫なのか」と不安になります。
これは当然です。
ただ、中3で勉強しない子の中には、志望校が決まらない。今の成績を見るのが怖い。何から手をつければよいか分からない。
こういう状態の生徒が多いです。そして、いつから受験勉強をスタートするか問題ですが、クラブ活動の最後の大会の6月、7月あたりから徐々にスタートする子どもが多い印象です。
そのころから高校の学校説明会が始まり、また、中学校へも近隣の各高校の先生や先輩が説明に来てくれる機会を設けている学校もあります。
また、塾では受験を目的とした夏期講習などが始まり、本格的に受験勉強がスタートします。
中3の場合は、「とにかく頑張れ」だけでは動けません。
まずは、現在地(成績)を見ます。次に、必要な教科を絞ります。そのうえで、基礎に戻るのか、定期テスト対策を優先するのか、過去問に入るのかを決めます。
英語なら、中1文法に戻る必要があるかもしれません。数学なら、計算、方程式、関数のどこで止まっているかを見る必要があります。
理科・社会は、単元を絞って点につなげる作戦が取れる場合もあります。
中3で一番避けたいのは、何となく焦って、何となく問題集を開くことです。
それでは続きません。
志望校、今の点数、残り期間を見て、やることを絞ってください。
ここは家庭だけでは判断がつかないこともあります。
迷う場合は、早めに学校や塾の先生など、信頼できる第三者に相談してください。
親がやりがちな逆効果な対応
中学生が勉強しないと、親はどうしても焦ります。
その焦りから、良かれと思って言った言葉が、逆に子どもを動きにくくしてしまうことがあります。
特に注意したい対応
- 「早く勉強しなさい」と毎日命令する。
- 過去のテスト結果を何度も責める。
- 兄弟や友達と比較する。
- 結果だけを見て「やっていない」と決めつける。
- 「もう知らない」と完全に放置する。
もちろん、親御さんがイライラしてしまうのも自然なことです。
毎日同じことで声をかけ、同じように反発される。それが続けば、冷静でいる方が難しいと思います。
ですので、最初から完璧に変えようとしなくて大丈夫です。
まずは1日1回だけ、言い方を変えてみてください。
- 「早く勉強しなさい」ではなく、「今日は何時から始める予定?」
- 「なんでこんな点数なの」ではなく、「次はどこを上げたい?」
- 「スマホばかり見て」ではなく、「勉強中だけ、スマホの置き場所を決めようか」
- 「やる気がないなら知らない」ではなく、「今、自分で一番困っている教科はどれ?」
このように、責める言葉を、確認する言葉に変えてみてください。
子どもがすぐに変わるとは限りません。
でも、親子げんかの回数を減らすきっかけにはなります。
勉強しない子を放置するとどうなるか
「そのうちやるだろう」と思いたくなる気持ちも分かります。
ただ、何も変えないまま時間だけが過ぎると、リスクがあります。
まず、英語と数学の遅れが大きくなります。
英語と数学は積み上げ科目です。前の単元が分からないまま進むと、後から戻る範囲がどんどん広がります。
次に、進学先の選択肢が狭まることがあります。
高校入試では、内申点が大きく関わる地域があります。中1からの通知表の評定が高校入試への内申点に影響する場合があるのです。
中1・中2でつまずいたまま中3を迎えると、行きたい高校の選択肢が狭まることがあります。
そして、親子関係が悪くなることがあります。
たとえば、勉強のことで毎日衝突していると、勉強以外の話もしにくくなります。
家庭が安心できる場所でなくなることは、大きな損失です。
だからこそ、悩みが大きくなる前に、少しでも方向を変えてください。
家庭でまず変えやすい関わり方
① 過去より「次」に目を向ける
成績が悪いと、子どもも内心では気にしていることが多いです。
たとえ態度に出ていなくても、本人なりに「まずいな」と思っていることがあります。
そのときに過去の点数を何度も責めると、子どもは前に進みにくくなります。
見るのは、次に何を変えるかです。
- 「次のテストで、まず何点を目指す?」
- 「そのために、学校ワークはいつまでに1周目を終わらせる?」
- 「英語と数学なら、どちらを先に立て直したい?」
このように、過去の反省だけでなく、次の作戦に変えてください。
② 全部ではなく、最初の一歩を小さくする
勉強しない子に、いきなり「毎日2時間やりなさい」と言っても、なかなか続きません。
特に、すでに分からない単元が多い子は、始める前から気持ちが折れています。
まずは、1教科、1ページ、10分で構いません。
「始められた」という経験を作ることです。
最初の一歩が大きすぎると、子どもは動きません。
小さく始めて、続ける。
ここからで十分です。
③ 親子だけで抱え込まない
親子だけで解決しようとすると、どうしても感情的になりやすいです。
親から言われると反発する子でも、学校の先生や塾の先生など、第三者から言われると受け止められることがあります。
これは、親の言葉に力がないという意味ではありません。
思春期の子どもにとって、親から言われることと、第三者から言われることは受け取り方が違うのです。
誰かが間に入ることで、「何をするか」「どこまでやるか」「いつ確認するか」が決まり、子どもが動きやすくなることがあります。
特に、中3で志望校が決まっていない場合。英語や数学のどこから戻ればよいか分からない場合。学校ワークが答え写しになっている場合。
このようなときは、早めに第三者に相談した方がよいです。
④ 責めないことと放置することを分ける
家庭を責める場所にしすぎないことは必要です。
ただし、それは何も言わないという意味ではありません。
責めないことと、放置することは違います。
- 「今日は何をする予定?」
- 「いつ確認する?」
- 「学校ワークはどこまで進んだ?」
- 「分からないところはどこ?」
このように、予定と行動を確認することは必要です。
ただし、毎回怒る必要はありません。
感情でぶつけるのではなく、事実を確認する。
ここを意識してください。
成績が伸びる勉強の本質
勉強とは、分からなかった問題が分かるようになり、解けなかった問題が解けるようになることです。
ノートをまとめた。教科書から答えを探せた。たくさん書いた。
それだけでは、テストの点数につながりにくいことがあります。
見たいのは、覚えたことを自分で言えるか。人に説明できるくらい理解できているか。何も見ずに、自分の力で解けるようになっているかです。
点数につながりにくい勉強
- 分かる問題ばかり解く。
- 答えを写して終わる。
- ノートをきれいにまとめて満足する。
- 覚えたつもりで確認テストをしない。
- 間違えた問題をそのままにする。
これでは、時間をかけても点数につながりません。
正しいテスト勉強には、具体的な量と質の目安が必要です。
どの教材を使うのか。どの順番で進めるのか。いつまでに終わらせるのか。どのレベルまで仕上げるのか。
ここが決まると、子どもは動きやすくなります。
逆に、ここがあいまいなまま「勉強しなさい」と言っても、子どもは何から始めればよいか分からないことがあります。
よくある質問
「勉強しなさい」と言わない方がいいのは分かりますが、何も言わないのも不安です
何も言わない必要はありません。
「勉強しなさい」の代わりに、
- 「今日は何をする予定?」
- 「何時からなら始められそう?」
- 「どこまで終わったら今日は終わりにする?」
と聞いてみてください。
命令ではなく、予定を確認する形に変えることです。
スマホ・ゲームは取り上げるべきですか?
感情的に取り上げるのはおすすめしません。
まずは、
- 「勉強中だけ別室に置く」
- 「テスト前だけ使用時間を決める」
- 「夜は決まった場所で充電する」
など、親子で先にルールを決める形がよいです。
いきなり完璧なルールを作ろうとしなくて構いません。
まずは、テスト前の1週間だけ、勉強中の30分だけ、というように小さく始めてください。
ただし、睡眠時間が大きく崩れている場合は、勉強以前に生活リズムの問題です。
その場合は、夜の使用時間や充電場所を家庭のルールとして決める必要があります。
中2でまったく勉強しません。まだ間に合いますか?
間に合う可能性は十分あります。
ただし、中2は英語と数学の積み残しが出やすい時期です。
英語は中1の基礎。
数学は、式の説明、連立方程式、一次関数、証明。
このあたりで止まっていないかを確認してください。
本人が一緒に確認できる場合は、教科書や学校ワークの目次を見て、どこから分からなくなっているかを探してみてください。
一緒に見るのを嫌がる場合は、学校ワークの埋まり方や、答え写しになっている場所を見るだけでも手がかりになります。
中2のうちに止まっている場所を見つけられれば、中3になる前に立て直しやすくなります。
中3ですが、今からでも間に合いますか?
志望校と現在地によります。
全部を一気に取り戻そうとするより、単元を絞り、基礎と過去問の順番を整理することです。
今の点数、志望校、残り期間、どの教科で点を取るか。
ここを見て判断する必要があります。
迷っている場合は、早めに学校や塾の先生など、信頼できる第三者に相談してください。
親が言うと反発して会話になりません
親子だけで解決しようとすると、どうしても感情的になりやすいです。
学校の先生、塾の先生、親戚など、親以外の大人を間に入れることで、同じ内容でも子どもが受け止めやすくなることがあります。
親の声かけが悪いという話ではありません。
今の言い方で届かないなら、届き方を変えるという話です。
ただし、すぐには変わらないこともあります。
まずは1日1回だけ、責める言葉を確認する言葉に変えてみてください。
勉強しているように見えるのに点数が上がりません
ノートまとめや答え写しで終わっている可能性があります。
見たいのは、間違えた問題をもう一度自分で解けるようにしているかです。
学校ワークを出しているかどうかだけでなく、間違えた問題を時間を空けて確認しているかを見てください。
まとめ|「勉強しない」の裏には、止まっている理由があります
中学生が勉強しない理由は、決して一つではありません。
勉強のやり方が分からない。英語・数学が分からなくなっている。学校ワークが作業になっている。スマホやゲームで始められない。部活で疲れている。親に言われると反発する。中3でも目標が見えていない。
こういった理由が重なって、勉強に向かう前で止まっていることがあります。
親が最初に見るべきなのは、やる気があるかないかだけではありません。
どこで止まっているのか。何が引っかかっているのか。
ここを見てください。
多くの子は、本当は「できるようになりたい」「点を取りたい」「褒められたい」という気持ちを持っています。
ただ、その気持ちがあっても、やり方が分からなかったり、分からない単元が多すぎたり、親に言われることで反発が先に出たりすることがあります。
まずは、責めるためではなく、助けるために見てあげてください。
そこから、次の一手は見えてきます。
家庭だけで抱え込む必要はありません。
学校の先生、教科担当の先生、塾の先生など、子どもが話を聞きやすい大人に相談するのも一つの方法です。
勉強相談|お子さんがどこで止まっているか、一緒に整理します
この記事を読んでも、
- 「うちの子の場合は、どれに当てはまるのか分からない」
- 「英語と数学のどこで止まっているのか見てほしい」
- 「家庭で様子を見るべきか、誰かに相談した方がよいのか迷う」
ということもあると思います。
もう一段具体的に、お子さんの場合はどこで止まっているのか整理したい場合は、勉強相談として状況を送っていただいて構いません。
家庭でできることがある場合は、まずそこから一緒に整理します。
LINEで送る場合は、学年、困っている教科、今の様子を分かる範囲で書いてください。
最初から学校名や詳しい個人情報を送る必要はありません。
「記事を読んで相談したい」と伝えていただけると、内容を確認しやすいです。
